よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


本邦の医学研究者は研究の評価をどのように捉えているか?アンケート調査の結果を公表 リリース文書 (3 ページ)

公開元URL https://www.ncgm.go.jp/pressrelease/2024/20240509140000.html
出典情報 本邦の医学研究者は研究の評価をどのように捉えているか?アンケート調査の結果を公表(5/9)《国立国際医療研究センターほか》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

研究者を評価する際の定性的因子(図 2、論文中 Figure 3)については、解析の網羅性=必要な解析
が尽くされていること(特に重視:12.6%、重視:51.6%)よりも、研究テーマの独創性(特に重視:
37.0%、重視:51.5%)や科学の発展への貢献(特に重視:37.4%、重視:47.4%)を重視すると答え
る割合の方が高値でした。研究テーマの独創性は、基礎医学の研究者のほうが臨床医学・社会医学の研究
者よりも重視するという回答が多くありました(特に重視―基礎:46.2%、社会:39.1%、臨床:32.0%)


図 2. 研究者評価における定性的因子に対する認識
研究評価のための定量的指標と定性的因子に対する研究者の認識については、定量的指標による研究
評価では「重要な研究でも評価されないことがある」の質問に賛同した回答者は 88.8%でした。定量的
指標の使用は、特に基礎医学の研究者において不正行為につながる可能性があると認識されていました。
シニア研究者は若手研究者に比べ、定性的評価はアンコンシャス・バイアス(自分自身気づいていないも
のの見方や捉え方の歪みや偏り)の影響を受けにくいと考える傾向がありました。
「研究評価に関するサンフランシスコ宣言(DORA)を知っていますか」の質問に「内容を知ってい
る」と回答した割合は 10.1%に留まり、
「名前は知っているが中身は知らない」が 28.8%、
「知らない」
が 61.1%でした。

【コメント】
日本の医学研究者の多くが、研究者を評価する際の指標としてインパクトファクターや英文誌に掲載
された論文数に基づく定量的指標が適切であると考える傾向にあることが分かりました。インパクトフ
ァクターを研究評価の際に重視する傾向は、研究評価に関するサンフランシスコ宣言(DORA)の推奨か
ら乖離しており、定量的指標の重視はライデン声明が懸念している状況です。DORA について知らない
研究者の割合も高く、DORA などの提言について医学研究者の間で知識の普及を図り、研究評価のあり
方について医学界全体として再検討を行うことが重要だと考えられました。
また、医学研究および研究者を評価する際の定量的指標および定性的因子に関する医学研究者の認識
は、研究分野、年齢、性別といった特徴によって差がありました。研究分野の違いによって、研究成果の
普遍性や重視する価値観が異なり、研究分野を越えた普遍的な評価軸を確立することは容易ではありま

3