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06【参考資料1】肺炎球菌コンジュゲートワクチン(小児用)に関する ファクトシート (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40343.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第25回 5/23)《厚生労働省》
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1.対象疾患の基本的知見
(1)対象疾患の特性
肺炎球菌コンジュゲートワクチンにより予防可能な疾患として、ワクチンに
含まれている血清型の肺炎球菌に起因する侵襲性感染症(本来であれば菌が存
在しない血液、髄液、関節液などから菌が検出される病態)、肺炎、中耳炎が
ある。
① 臨床症状等
肺炎球菌は、特に乳幼児においては、血液中に侵入し、菌血症を起こすこ
とがある。菌血症では発熱が主症状である。菌血症から敗血症に進展すると、
血圧低下、DIC、臓器不全などの重篤な症状を呈する。菌血症から髄膜炎を
きたすと、発熱、頭痛、意識障害、項部硬直、痙攣などが見られる。髄膜炎
が治癒した場合でも、難聴、精神発達遅滞、四肢麻痺、てんかんなどの重度
の後遺症が残ることがある。抗菌療法の発達した現代においても肺炎球菌性
髄膜炎の予後に改善はみられず、治癒 88%、後遺症 10%、死亡 2%であったと
報告されている1。


不顕性感染の割合
無症状のまま上咽頭に菌が存在している場合がある。健診時の調査では、
3-4 ヶ月健診時で 17.6%, 6-7 ヶ月健診時で 27.1%, 9-10 ヶ月健診時で 36.5%
に肺炎球菌の不顕性感染があったとの報告がある 2。保育園などの集団生活
が始まると、入園後数か月でほとんどの児が肺炎球菌を保菌することになる。
この菌が何らかのきっかけで血液中に入った場合、菌血症から敗血症や髄膜
炎を起こす。また、直接進展すると肺炎などの下気道感染症や中耳炎を起こ
す。



鑑別を要する他の疾患
他の細菌による菌血症/髄膜炎、ウイルス性髄膜炎



検査法
培養、抗原検査、PCR (キット化された PCR 体外診断薬は無い)



治療法
全身管理、抗菌薬投与(実際に臨床現場で投与されている抗菌薬の種類に
ついては文献 3 参照)。近年、ペニシリン耐性株やマクロライド耐性株が増
加しており、治療困難な症例が増加している。



予防法
肺炎球菌コンジュゲートワクチン

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