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総-2○費用対効果評価専門組織からの報告について (4 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00257.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 総会(第590回 6/12)《厚生労働省》 |
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3. 費用対効果評価結果案策定に係る専門組織での主な検討事項
公的分析が再分析を行った主な点は以下の通りである。
・総死亡率に対する補正について
製造販売業者は、分析モデルから推計される各分析対象集団の総死亡率 2.7~3.6%(2年あ
たり)が、Roche らによるフランスの観察研究における報告値 8.0%(2年あたり)に比較する
と低いことを理由に、後者に整合するように、分析モデル上の死亡への遷移確率を上方補正し
た。しかし、日本の統計値やヨーロッパ諸国の喘息患者を対象として死亡率を推計した Engelkes
らの観察研究の報告値は、分析モデルから推計される総死亡率と乖離しておらず、フランスの観
察研究の死亡率は過大評価されている可能性がある。よって、公的分析は、総死亡率を補正しな
い再分析を実施した。また、分析対象集団(b)は、製造販売業者の分析結果(ICER 1,000 万円
/QALY 未満)と公的分析結果(1,000 万円/QALY 以上)で区分が異なっていたため、補正による
影響を分析するため、総死亡率(補正係数)と ICER の推移の関係性を評価した。
・感度分析について
シナリオ分析(a-1)集団における比較対照はベンラリズマブとされており、製造販売業者は
Menzies-Gow らのネットワークメタアナリシス(NMA)研究に基づき追加的有用性を主張してい
るが、企業の示したデータによると、ベンラリズマブの治療効果は、同じ抗 IL-5 抗体/IL-5Rα
抗体であるメポリズマブに劣る傾向にある。また、同データから、デュピルマブの治療効果がメ
ポリズマブと同様であることより、感度分析の対象集団である好酸球性喘息の患者において、抗
IL-5 抗体/IL-5Rα抗体を比較対照技術とすること自体、適切ではないのではないか。
また、抗 IL-5 抗体/IL-5Rα抗体のうち、ベンラリズマブと効果同等であるとされたメポリズ
マブを比較対照技術として、Menzies-Gow らの NMA のデータを当てはめると、ICER の値が大き
く変わるため、企業側の推計値はベストケースであり適切ではない。
製造販売業者から提示された論点
・総死亡率に対する補正について
当初モデルで使用された死亡率パラメータは、本剤が適応となる「コントロール不良な難治性
喘息患者」とマッチしたものではないため、モデルの外的妥当性を高め、費用対効果の適切な評
価を行うためには、RWD 研究の死亡率データを用いた補正を行うべきではないか。
・ベスト/ワーストシナリオ分析について
公的分析は、生物学的製剤の有効性に優劣があるかのように、比較対照技術の有効性データを
別の薬剤のものに置き換えて ICER を計算し、ベンラリズマブを比較対照とした感度分析は妥当
ではないのではないかと主張したが、これは、分析枠組み決定時の前提と矛盾しており、分析ガ
イドラインにも反するものではないか。
患者背景を揃えた MAIC(Matching Adjusted Indirect Comparison)の結果によれば、ベンラ
リズマブの有効性はメポリズマブと同等以上であり、Menzies-Gow らの NMA の結果のみに基づい
てベンラリズマブがメポリズマブに劣るとすることは不適切ではないか。
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公的分析が再分析を行った主な点は以下の通りである。
・総死亡率に対する補正について
製造販売業者は、分析モデルから推計される各分析対象集団の総死亡率 2.7~3.6%(2年あ
たり)が、Roche らによるフランスの観察研究における報告値 8.0%(2年あたり)に比較する
と低いことを理由に、後者に整合するように、分析モデル上の死亡への遷移確率を上方補正し
た。しかし、日本の統計値やヨーロッパ諸国の喘息患者を対象として死亡率を推計した Engelkes
らの観察研究の報告値は、分析モデルから推計される総死亡率と乖離しておらず、フランスの観
察研究の死亡率は過大評価されている可能性がある。よって、公的分析は、総死亡率を補正しな
い再分析を実施した。また、分析対象集団(b)は、製造販売業者の分析結果(ICER 1,000 万円
/QALY 未満)と公的分析結果(1,000 万円/QALY 以上)で区分が異なっていたため、補正による
影響を分析するため、総死亡率(補正係数)と ICER の推移の関係性を評価した。
・感度分析について
シナリオ分析(a-1)集団における比較対照はベンラリズマブとされており、製造販売業者は
Menzies-Gow らのネットワークメタアナリシス(NMA)研究に基づき追加的有用性を主張してい
るが、企業の示したデータによると、ベンラリズマブの治療効果は、同じ抗 IL-5 抗体/IL-5Rα
抗体であるメポリズマブに劣る傾向にある。また、同データから、デュピルマブの治療効果がメ
ポリズマブと同様であることより、感度分析の対象集団である好酸球性喘息の患者において、抗
IL-5 抗体/IL-5Rα抗体を比較対照技術とすること自体、適切ではないのではないか。
また、抗 IL-5 抗体/IL-5Rα抗体のうち、ベンラリズマブと効果同等であるとされたメポリズ
マブを比較対照技術として、Menzies-Gow らの NMA のデータを当てはめると、ICER の値が大き
く変わるため、企業側の推計値はベストケースであり適切ではない。
製造販売業者から提示された論点
・総死亡率に対する補正について
当初モデルで使用された死亡率パラメータは、本剤が適応となる「コントロール不良な難治性
喘息患者」とマッチしたものではないため、モデルの外的妥当性を高め、費用対効果の適切な評
価を行うためには、RWD 研究の死亡率データを用いた補正を行うべきではないか。
・ベスト/ワーストシナリオ分析について
公的分析は、生物学的製剤の有効性に優劣があるかのように、比較対照技術の有効性データを
別の薬剤のものに置き換えて ICER を計算し、ベンラリズマブを比較対照とした感度分析は妥当
ではないのではないかと主張したが、これは、分析枠組み決定時の前提と矛盾しており、分析ガ
イドラインにも反するものではないか。
患者背景を揃えた MAIC(Matching Adjusted Indirect Comparison)の結果によれば、ベンラ
リズマブの有効性はメポリズマブと同等以上であり、Menzies-Gow らの NMA の結果のみに基づい
てベンラリズマブがメポリズマブに劣るとすることは不適切ではないか。
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