希望する外国人介護人材も一定数いることから、日本人と同様に、訪問系サービ
スを含む多様な業務を経験し、キャリアアップに繋がるようにすることは、外国
人介護人材にとって、我が国で継続して就労する魅力向上にも繋がりうるものと
考えられる。
○ 先進的な受入事業者においては、日本語学習、介護職員初任者研修、実務者研
修の受講などを組み込む形で、外国人介護人材のキャリアアップ、国家資格取得
に向けた人材育成の取組がなされている。外国人介護人材が多様な業務を経験し
ながらキャリアアップし、日本で継続して働くことができるよう、受入事業者が
中心となって関係者と連携しつつ、支援していくことが重要である。
基本的には利用者と１対１で業務を行うというサービスの特性等を踏まえ、ハ
ラスメントの防止、相談体制の構築など外国人介護人材について権利保護を十分
に行いつつ、日本人と同様に、キャリアアップに応じた適切な処遇を確保すると
ともに、日本人労働者の処遇・労働環境の改善の努力が損なわれないようにすべ
きである。また、継続的な日本語学習や介護福祉士の資格取得に向けた国家試験
の受験・合格の後押し、就労環境の整備等の様々な支援について、多様な主体が
連携して取り組むべきである。
○ なお、受入事業者へのヒアリング等では、アジア諸国においても、今後、高齢
化が見込まれることから、日本における訪問系サービスでの就労経験は、今後母
国に帰国した後も有益であることが見込まれるという意見があった。地域共生社
会や地域包括ケアシステムの深化・推進を目指す我が国の介護・福祉サービスを
アジア諸国に広めていく上でも、その核となる訪問系サービスに従事してもらう
ことは重要である。
○ このように、外国人介護人材が我が国の介護現場に魅力を感じて働き続けるこ
とができる環境を整備することは、訪問介護員等の人材不足や高齢化が進んでい
る中、必要なサービスを将来にわたって提供できるように対応していくことにも
資するものである。積極的に外国人介護人材を受け入れ、ケアの質の担保や権利
保護には留意しつつ、本人の希望等も踏まえながら、訪問系サービスを含む多様
な業務を経験してもらう環境整備が必要となる。外国人介護人材のキャリアパス
等を確保するといった観点にも十分留意しつつ、受入事業者によるきめ細かな支
援が求められる。
（具体的な対応）
○ 以上を踏まえると、外国人介護人材の訪問系サービスの従事については、日本
人同様に介護職員初任者研修を修了した有資格者等であることを前提に、ケアの
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