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資 料 2 「血漿分画製剤のウイルスに対する安全性確保に関するガイドライン」改正案(新旧対照表) (6 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24719.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会安全技術調査会(令和3年度第6回 3/29)《厚生労働省》 |
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4.4.2 ウイルスクリアランス指数の計算法
ウイルス除去工程及び不活化工程のウイルスクリアランス指数 R は、次式で示される。
R=log((V1×T1)/(V2×T2))
なお、R は対数で表される減少度、V1 は工程処理前の容量、T1 は工程処理前のウイルス力価、V2 は工程
処理後の試料の容量、T2 は工程処理後の試料のウイルス力価である。
ウイルスクリアランス指数を算出する場合には、可能な限り、添加したウイルス力価ではなく、添加後
の工程処理前の原料中に検出されるウイルスを検証しなければならない。
試験のばらつきは、希釈誤差、統計的な原因、各種測定法に特有な未知又は制御不能な要素の違いなど
により生じる。通常、独立して実施した試験間のばらつき(試験間変動)は、一試験内のばらつき(試験
内変動)より大きい。
処理工程前の材料中のウイルス定量値の信頼限界が+Sで、工程処理後のウイルス定量値の信頼限界が
+a の場合、ウイルスクリアランス指数の信頼限界は±√(S2+a2)である。
上記の要因を総合的に評価することにより、当該工程のウイルスクリアランスの有効性を適切に判断す
ることができる。
4
ウイルスクリア
ランス試験
4.4.3 データの解釈上留意すべき事項
製造工程のウイルスクリアランスの有効性の評価には、下記の要因が寄与しているので、データを解釈
する場合には個々の要因について注意深く検討する必要がある。
(1)ウイルスの選択の妥当性
ウイルスクリアランス試験に使用するウイルスは、試験の目的に従って、適切な関連ウイルス及び
モデルウイルスが選択されていたかを評価しなければならない。
(2)ウイルスクリアランス試験の設計の妥当性
製造工程の変動要因や規模縮小における変動要因などを考慮に入れ、適切な試験系が設計されてい
たかを確認すること。
(3)製造工程の変動因子
製造工程の変動因子の僅かな変動に対しウイルスクリアランス能が影響を受けやすい場合は、当該
製造工程のウイルスクリアランス能に対する影響を評価すること。
(4)ウイルスクリアランス指数の評価
製造工程の総ウイルスクリアランス指数は、一般的に個々の工程でのウイルスクリアランス指数の
総和で示され、対数で表された各製造段階での減少度を加算することによって算出される。しかし、
複数の工程(例えば 1log10 以下の工程)の減少率を加算すると、工程全体を通してのウイルスクリア
ランス能を過大評価してしまう可能性がある。したがって、ウイルスクリアランス指数が 1log10 以下
の除去及び不活化工程は、合理的な理由がない限り加算されるべきではない。また、同一の、又は類
似した方法を繰り返して達成されたウイルスクリアランス指数は、合理的な理由がない限り加算され
るべきではない。
(5)不活化の速度論の評価
ウイルス感染性の不活化は、しばしば急速な初期相とそれに続く遅い相からなる 2 相性の曲性を示
す。したがって、試験に際しては、検体を時間を変えてサンプリングし、不活化曲線が描けるように
計画すべきである。不活化試験においては、最短曝露時間でのポイントに加えて、曝露ゼロ時より長
く、かつ最短曝露時間よりも短い時間でのポイントを少なくとも 1 点はとることが推奨される。この
ような工程で不活化を免れたウイルスは、次の不活化工程でより強い抵抗力を示す可能性がある。例
えば、抵抗性画分が凝集形態をとるとすれば、各種化学処理や熱処理に対しても抵抗性を示す可能性
がある。
(6)製造工程でのウイルスの挙動
ウイルスクリアランスは、例えば、不活化工程が 2 段階以上ある場合、相互補完的な除去工程が複
数ある場合、あるいは除去工程及び不活化工程が複数組み合わされている場合に効果的に達成され
る。除去工程においては、個々のウイルスがもつ特異的な物理化学的特性がゲル・マトリクスとの相
互作用や沈降特性にどの様に影響するのかに大きく依存しているために、モデルウイルスが目的ウイ
4.4.2 対数減少値の計算法
ウイルス除去および不活化工程のウイルスクリアランス指数 R は、次式で示される。
R=log((V1×T1)/(V2×T2))
なお、R は対数で表される減少度、V1 は工程処理前の容量、T1 は工程処理前のウイルス力価、V2 は工
程処理後の試料の容量、T2 は工程処理後の試料のウイルス力価である。
ウイルスクリアランス指数を算出する場合には、可能な限り、添加したウイルス力価ではなく、添加後
の工程処理前の原料中に検出されるウイルスを検証しなければならない。
試験のばらつきは、希釈誤差、統計的な原因、各種測定法に特有な未知又は制御不能な要素の違いなど
により生じる。通常、独立して実施した試験間のばらつき(試験間変動)は、一試験内のばらつき(試験内変
動)より大きい。
処理工程前の材料中のウイルス定量値の信頼限界が+S で、工程処理後のウイルス定量値の信頼限界が
+a の場合、ウイルスクリアランス指数の信頼限界は±√(S2+a2)である。
上記の要因を総合的に評価することにより、当該工程のウイルス除去及び不活化の有効性を判断するこ
とができる。
4.4.3 データの解釈上留意すべき事項
製造工程のウイルス除去及び不活化効果の有効性の評価には、下記の要因が寄与しているので、デー
タを解釈する場合には個々の要因について注意深く検討する必要がある。
(1) ウイルスの選択の妥当性
バリデーション試験に使用するウイルスは、試験の目的及び本ガイドラインに規定された原則に従っ
て、適切な関連ウイルス及びモデルウイルスが選択されていたかを評価しなければならない。
(2) バリデーション試験の設計の妥当性
製造工程の変動要因や規模縮小における変動要因などを考慮に入れ、適切な試験系が設計されていた
かを検証する。
(3) 製造工程の変動因子
製造工程の変動因子の僅かな変動に対しウイルスの除去及び不活化効果が影響を受けやすい場合は、
当該製造工程のウイルス除去及び不活化効果に対する影響を評価する。
(4) 対数減少値の評価
一般的に個々のウイルスクリアランス指数の総和で示され、対数で表された各製造段階での減少度を
加算することによって算出される。しかし、複数の工程(例えば 1log10 以下の工程)の減少率を加算す
ると、工程全体を通してのウイルス除去及び不活化能力を過大評価してしまう可能性がある。従って、
クリアランス指数 1log10 以下の除去及び不活化工程は正当な理由がない限り通常計算にいれるべきで
はない。なお、同一又は近似した方法を繰り返して達成されたウイルスクリアランス指数は、合理的な
理由がない限り加算されるべきではない。
(5) 不活化の速度論の評価
ウイルスクリアランス指数によるウイルス感染性の不活化は、しばしば急速な初期相とそれに続く遅
い相からなる 2 相性の曲性を示す。したがって、試験に際しては、検体を時間を変えてサンプリングし、
不活化曲線が描けるように計画すべきである。不活化試験においては、最短暴露時間でのポイントに加
えて、暴露ゼロ時より長く、かつ最短暴露時間よりも短い時間でのポイントを少なくとも 1 点はとるこ
とが推奨される。このような工程で不活化を免れたウイルスは、次の不活化工程でより強い抵抗力を示
す可能性がある。例えば、抵抗性画分が凝集形態をとるとすれば、各種化学処理や熱処理に対しても抵
抗性を示す可能性がある。
(6) 製造工程でのウイルスの挙動
ウイルスクリアランスは、例えば、不活化工程が 2 段階以上ある場合、相互補完的な分離工程が複数
ある場合、あるいは不活化及び分離工程が複数組み合わされている場合に効果的に達成される。分離工
程においては、個々のウイルスがもつ特異的な物理化学的特性がゲル・マトリクスとの相互作用や沈降
特性にどの様に影響するのかに大きく依存しているために、モデルウイルスが目的ウイルスとは異なる
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ウイルス除去工程及び不活化工程のウイルスクリアランス指数 R は、次式で示される。
R=log((V1×T1)/(V2×T2))
なお、R は対数で表される減少度、V1 は工程処理前の容量、T1 は工程処理前のウイルス力価、V2 は工程
処理後の試料の容量、T2 は工程処理後の試料のウイルス力価である。
ウイルスクリアランス指数を算出する場合には、可能な限り、添加したウイルス力価ではなく、添加後
の工程処理前の原料中に検出されるウイルスを検証しなければならない。
試験のばらつきは、希釈誤差、統計的な原因、各種測定法に特有な未知又は制御不能な要素の違いなど
により生じる。通常、独立して実施した試験間のばらつき(試験間変動)は、一試験内のばらつき(試験
内変動)より大きい。
処理工程前の材料中のウイルス定量値の信頼限界が+Sで、工程処理後のウイルス定量値の信頼限界が
+a の場合、ウイルスクリアランス指数の信頼限界は±√(S2+a2)である。
上記の要因を総合的に評価することにより、当該工程のウイルスクリアランスの有効性を適切に判断す
ることができる。
4
ウイルスクリア
ランス試験
4.4.3 データの解釈上留意すべき事項
製造工程のウイルスクリアランスの有効性の評価には、下記の要因が寄与しているので、データを解釈
する場合には個々の要因について注意深く検討する必要がある。
(1)ウイルスの選択の妥当性
ウイルスクリアランス試験に使用するウイルスは、試験の目的に従って、適切な関連ウイルス及び
モデルウイルスが選択されていたかを評価しなければならない。
(2)ウイルスクリアランス試験の設計の妥当性
製造工程の変動要因や規模縮小における変動要因などを考慮に入れ、適切な試験系が設計されてい
たかを確認すること。
(3)製造工程の変動因子
製造工程の変動因子の僅かな変動に対しウイルスクリアランス能が影響を受けやすい場合は、当該
製造工程のウイルスクリアランス能に対する影響を評価すること。
(4)ウイルスクリアランス指数の評価
製造工程の総ウイルスクリアランス指数は、一般的に個々の工程でのウイルスクリアランス指数の
総和で示され、対数で表された各製造段階での減少度を加算することによって算出される。しかし、
複数の工程(例えば 1log10 以下の工程)の減少率を加算すると、工程全体を通してのウイルスクリア
ランス能を過大評価してしまう可能性がある。したがって、ウイルスクリアランス指数が 1log10 以下
の除去及び不活化工程は、合理的な理由がない限り加算されるべきではない。また、同一の、又は類
似した方法を繰り返して達成されたウイルスクリアランス指数は、合理的な理由がない限り加算され
るべきではない。
(5)不活化の速度論の評価
ウイルス感染性の不活化は、しばしば急速な初期相とそれに続く遅い相からなる 2 相性の曲性を示
す。したがって、試験に際しては、検体を時間を変えてサンプリングし、不活化曲線が描けるように
計画すべきである。不活化試験においては、最短曝露時間でのポイントに加えて、曝露ゼロ時より長
く、かつ最短曝露時間よりも短い時間でのポイントを少なくとも 1 点はとることが推奨される。この
ような工程で不活化を免れたウイルスは、次の不活化工程でより強い抵抗力を示す可能性がある。例
えば、抵抗性画分が凝集形態をとるとすれば、各種化学処理や熱処理に対しても抵抗性を示す可能性
がある。
(6)製造工程でのウイルスの挙動
ウイルスクリアランスは、例えば、不活化工程が 2 段階以上ある場合、相互補完的な除去工程が複
数ある場合、あるいは除去工程及び不活化工程が複数組み合わされている場合に効果的に達成され
る。除去工程においては、個々のウイルスがもつ特異的な物理化学的特性がゲル・マトリクスとの相
互作用や沈降特性にどの様に影響するのかに大きく依存しているために、モデルウイルスが目的ウイ
4.4.2 対数減少値の計算法
ウイルス除去および不活化工程のウイルスクリアランス指数 R は、次式で示される。
R=log((V1×T1)/(V2×T2))
なお、R は対数で表される減少度、V1 は工程処理前の容量、T1 は工程処理前のウイルス力価、V2 は工
程処理後の試料の容量、T2 は工程処理後の試料のウイルス力価である。
ウイルスクリアランス指数を算出する場合には、可能な限り、添加したウイルス力価ではなく、添加後
の工程処理前の原料中に検出されるウイルスを検証しなければならない。
試験のばらつきは、希釈誤差、統計的な原因、各種測定法に特有な未知又は制御不能な要素の違いなど
により生じる。通常、独立して実施した試験間のばらつき(試験間変動)は、一試験内のばらつき(試験内変
動)より大きい。
処理工程前の材料中のウイルス定量値の信頼限界が+S で、工程処理後のウイルス定量値の信頼限界が
+a の場合、ウイルスクリアランス指数の信頼限界は±√(S2+a2)である。
上記の要因を総合的に評価することにより、当該工程のウイルス除去及び不活化の有効性を判断するこ
とができる。
4.4.3 データの解釈上留意すべき事項
製造工程のウイルス除去及び不活化効果の有効性の評価には、下記の要因が寄与しているので、デー
タを解釈する場合には個々の要因について注意深く検討する必要がある。
(1) ウイルスの選択の妥当性
バリデーション試験に使用するウイルスは、試験の目的及び本ガイドラインに規定された原則に従っ
て、適切な関連ウイルス及びモデルウイルスが選択されていたかを評価しなければならない。
(2) バリデーション試験の設計の妥当性
製造工程の変動要因や規模縮小における変動要因などを考慮に入れ、適切な試験系が設計されていた
かを検証する。
(3) 製造工程の変動因子
製造工程の変動因子の僅かな変動に対しウイルスの除去及び不活化効果が影響を受けやすい場合は、
当該製造工程のウイルス除去及び不活化効果に対する影響を評価する。
(4) 対数減少値の評価
一般的に個々のウイルスクリアランス指数の総和で示され、対数で表された各製造段階での減少度を
加算することによって算出される。しかし、複数の工程(例えば 1log10 以下の工程)の減少率を加算す
ると、工程全体を通してのウイルス除去及び不活化能力を過大評価してしまう可能性がある。従って、
クリアランス指数 1log10 以下の除去及び不活化工程は正当な理由がない限り通常計算にいれるべきで
はない。なお、同一又は近似した方法を繰り返して達成されたウイルスクリアランス指数は、合理的な
理由がない限り加算されるべきではない。
(5) 不活化の速度論の評価
ウイルスクリアランス指数によるウイルス感染性の不活化は、しばしば急速な初期相とそれに続く遅
い相からなる 2 相性の曲性を示す。したがって、試験に際しては、検体を時間を変えてサンプリングし、
不活化曲線が描けるように計画すべきである。不活化試験においては、最短暴露時間でのポイントに加
えて、暴露ゼロ時より長く、かつ最短暴露時間よりも短い時間でのポイントを少なくとも 1 点はとるこ
とが推奨される。このような工程で不活化を免れたウイルスは、次の不活化工程でより強い抵抗力を示
す可能性がある。例えば、抵抗性画分が凝集形態をとるとすれば、各種化学処理や熱処理に対しても抵
抗性を示す可能性がある。
(6) 製造工程でのウイルスの挙動
ウイルスクリアランスは、例えば、不活化工程が 2 段階以上ある場合、相互補完的な分離工程が複数
ある場合、あるいは不活化及び分離工程が複数組み合わされている場合に効果的に達成される。分離工
程においては、個々のウイルスがもつ特異的な物理化学的特性がゲル・マトリクスとの相互作用や沈降
特性にどの様に影響するのかに大きく依存しているために、モデルウイルスが目的ウイルスとは異なる
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