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資料1-1 ワーキンググループにおける評価結果【No.2024-1】 (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42226.html
出典情報 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会(第38回 8/9)《厚生労働省》
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治療が奏功しない患者には現在は緩和的な脳梁離断術、迷走神経刺激療法(VNS)、脳深
部刺激療法(DBS)が実施されている。VNS は迷走神経束へ刺激を行うことによって上
位の広い範囲に影響を与えて脳波活動に作用を及ぼすものであり、DBS は脳深部の視床
前核を刺激することによっててんかん性の異常活動を抑制するものであり、本品はてん
かんの焦点に電極を留置して刺激を行う点が差分である。
薬剤抵抗性であり、てんかんの焦点が 1 又は 2 か所の 191 例を対象に、本品による有
効性及び安全性を確認することを目的として、海外 31 施設で実施された多施設二重盲検
無作為化比較試験の成績が示された2。有効性として、術後 5 か月の成績として、刺激群
(n=97)では 37.9%の発作頻度の減少、偽刺激群(n=94)では 17.3%の発作頻度の減少で
あった(p=0.012)。さらに、術後 1 年で 44%、術後 2 年で 53%の発作頻度の減少であっ
た(p<0.0001)。安全性については、刺激群と偽刺激群で同等であった。
また、本品を含む RNS、DBS、VNS で比較したシステマティックレビューでは、術後
1 年、2 年、3 年における発作頻度の減少が、RNS では 66.3%、56.0%、68.4%、VNS では
32.9%、44.4%、53.5%、DBS では 58.4%、57.5%、63.8%であった3。
以上から、脳内のてんかんに関係する領域に刺激装置を留置する既承認品(VNS、DBS)
とは異なり、てんかんの焦点に電極を留置することで、原理上、発作頻度の減少が期待
できること、海外臨床試験等において薬剤抵抗性の焦点性てんかん患者に対する本品の
有用性が期待されることを踏まえ、本品は根治的な治療法が存在しない薬剤抵抗性の焦
点性てんかん患者に対する治療法の選択肢のひとつとして期待できると考えられること
から、医療上の有用性は「イ」と判断する。
【疾患の重篤性に関するコメント】
てんかん発作は、発作による意識消失、転倒、全身けいれん等の重篤な症状を生じ、
また、発作の発生を予測することはできないことから、患者の日常生活や社会生活は著
しく阻害される。
薬剤抵抗性のてんかんは、現在使用可能な抗てんかん薬では発作を消失させることが
できない。根治的な焦点切除術が一部の患者には有効であるが、脳切除に伴う機能障害
のリスク等があり、本邦において行われている件数は年間 600 例程度である。また、VNS
については年間 400 例程度である。
以上のことから本品の適応は疾患の進行が不可逆的で、日常生活に著しい影響を及ぼ
す疾患と考えられることから、適応疾病の重篤性は「イ」と判断する。
8-2.

要望内容に係る国内と海外の医療実態の違いについて

国内外の診療ガイドラインにおいて、薬剤抵抗性のてんかんに対する治療方針は類似
している。しかし、VNS、DBS、RNS(米国で 2013 年に PMA 取得済み)についての使
い分けは国内外で明確にはなっていない。
米国で承認されている適応の内容:
18 歳以上で、発作焦点が 1 つもしくは 2 つの焦点をもつ薬剤抵抗性焦点てんかん患者

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