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2023年度 医療法人の経営状況について (5 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/250228_No011.pdf |
| 出典情報 | 2023年度 医療法人の経営状況について（2／28）《福祉医療機構》 |
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2024-011
減少していることがわかる。なかでも、老健主
14％前後を推移している（図表 4）
。離職率も同
体法人は 0.7 人減少していることにくわえて、
様の動きをしており、いずれの年度においても
離職率5が採用率6を上回っており、厳しい状況
採用率が上回っているのがみてとれる。また、
であることがうかがえる。また、診療所主体法
採用率と離職率の差を表す採用超過率に着目す
人は、他の区分と比較すると、採用率および離
ると、2019 年度の 2.3 ポイントから 2020 年度
職率がいずれも高く、とくに 3 年未満の離職率
は 1.5 ポイントに低下し、2021 年度以降は 0.7
の差が大きい。入職者の職種や働き方への考え
ポイント前後を推移しており、近年の厳しい人
方なども異なるので一律に比較できるものでは
材確保の状況が表れている。
ないが、診療所主体法人は人材の入れ替わりが
厳しい状況が続くなか、採用者数および離職
多い特徴があった。
者数について、特徴的な動きを示したのが看護
職員である。看護職員の採用者数は、2019 年度
2
職員の採用・離職状況
が 20.9 人であったが、2020 年度は 19.7 人と
5 か年度とも採用率が離職率を上回っている
ものの、2021 年度以降でその差は縮小傾向
1.2 人減少した。一方で、離職者数は、2019 年
度から 2020 年度にかけて 0.4 人増加している。
2020 年度は 4 月にコロナの緊急事態宣言が初
前節では、事業主体別の経営状況にくわえて、
めて発出され、2021 年度はオミクロン株が流行
人材確保の状況について確認した。本章では、
するなど、コロナの影響がとくに大きかった期
コロナ禍を踏まえた、職員の採用・離職状況の
間であった。あくまでも推測の域を出ないが、
変化を把握するため、2019 年度から 2023 年度
2020 年度以降の離職率の上昇の一因として、コ
までの 5 か年度で比較可能なデータがあるサン
ロナ禍の過酷な勤務などに負担を感じて退職す
プルに絞ってみていきたい。
るケースも多かったのではないだろうか。
まず、採用率は 2019 年度が 16.1％であった
採用と離職のバランスをみると、介護職員と
のに対して、2020 年度以降はそこから低下し
（図表 4）医療法人の職員の採用・離職状況（同一法人）
医療法人（n＝578）
指標
1 法人当たり従事者数
採用率
うち新卒採用
うち中途採用
離職率
うち 1 年未満
うち 1 年以上 3 年未満
うち 3 年以上 10 年未満
採用超過率
採用者数
うち医師
うち介護職員
うち看護職員
離職者数
うち医師
うち介護職員
うち看護職員
2019
人
％
％
％
％
％
％
％
％
人
人
人
人
人
人
人
人
2020
404.8
16.1
2.9
13.2
13.8
4.0
3.5
4.4
2.3
65.3
6.9
12.9
20.9
56.0
4.5
12.1
19.3
2021
413.0
14.3
2.8
11.5
12.7
3.5
3.3
4.0
1.5
59.0
6.0
12.2
19.7
52.6
4.3
11.5
19.7
2022
418.2
13.8
2.6
11.2
13.1
3.5
3.2
4.4
0.7
57.7
6.8
10.6
19.4
54.7
4.4
11.2
20.2
2023
415.2
14.0
2.7
11.3
13.3
3.2
3.3
4.5
0.6
57.9
6.2
10.5
19.7
55.4
4.5
10.8
20.4
414.6
14.3
2.7
11.5
13.6
3.3
3.3
4.5
0.7
59.2
6.3
11.0
20.1
56.4
5.0
11.0
20.6
5 離職率＝当該年度に離職した常勤換算後職員数／当該年度の 10 月 1 日時点の常勤換算後職員数
6 採用率＝当該年度に採用した常勤換算後職員数／当該年度の 10 月 1 日時点の常勤換算後職員数
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5
減少していることがわかる。なかでも、老健主
14％前後を推移している（図表 4）
。離職率も同
体法人は 0.7 人減少していることにくわえて、
様の動きをしており、いずれの年度においても
離職率5が採用率6を上回っており、厳しい状況
採用率が上回っているのがみてとれる。また、
であることがうかがえる。また、診療所主体法
採用率と離職率の差を表す採用超過率に着目す
人は、他の区分と比較すると、採用率および離
ると、2019 年度の 2.3 ポイントから 2020 年度
職率がいずれも高く、とくに 3 年未満の離職率
は 1.5 ポイントに低下し、2021 年度以降は 0.7
の差が大きい。入職者の職種や働き方への考え
ポイント前後を推移しており、近年の厳しい人
方なども異なるので一律に比較できるものでは
材確保の状況が表れている。
ないが、診療所主体法人は人材の入れ替わりが
厳しい状況が続くなか、採用者数および離職
多い特徴があった。
者数について、特徴的な動きを示したのが看護
職員である。看護職員の採用者数は、2019 年度
2
職員の採用・離職状況
が 20.9 人であったが、2020 年度は 19.7 人と
5 か年度とも採用率が離職率を上回っている
ものの、2021 年度以降でその差は縮小傾向
1.2 人減少した。一方で、離職者数は、2019 年
度から 2020 年度にかけて 0.4 人増加している。
2020 年度は 4 月にコロナの緊急事態宣言が初
前節では、事業主体別の経営状況にくわえて、
めて発出され、2021 年度はオミクロン株が流行
人材確保の状況について確認した。本章では、
するなど、コロナの影響がとくに大きかった期
コロナ禍を踏まえた、職員の採用・離職状況の
間であった。あくまでも推測の域を出ないが、
変化を把握するため、2019 年度から 2023 年度
2020 年度以降の離職率の上昇の一因として、コ
までの 5 か年度で比較可能なデータがあるサン
ロナ禍の過酷な勤務などに負担を感じて退職す
プルに絞ってみていきたい。
るケースも多かったのではないだろうか。
まず、採用率は 2019 年度が 16.1％であった
採用と離職のバランスをみると、介護職員と
のに対して、2020 年度以降はそこから低下し
（図表 4）医療法人の職員の採用・離職状況（同一法人）
医療法人（n＝578）
指標
1 法人当たり従事者数
採用率
うち新卒採用
うち中途採用
離職率
うち 1 年未満
うち 1 年以上 3 年未満
うち 3 年以上 10 年未満
採用超過率
採用者数
うち医師
うち介護職員
うち看護職員
離職者数
うち医師
うち介護職員
うち看護職員
2019
人
％
％
％
％
％
％
％
％
人
人
人
人
人
人
人
人
2020
404.8
16.1
2.9
13.2
13.8
4.0
3.5
4.4
2.3
65.3
6.9
12.9
20.9
56.0
4.5
12.1
19.3
2021
413.0
14.3
2.8
11.5
12.7
3.5
3.3
4.0
1.5
59.0
6.0
12.2
19.7
52.6
4.3
11.5
19.7
2022
418.2
13.8
2.6
11.2
13.1
3.5
3.2
4.4
0.7
57.7
6.8
10.6
19.4
54.7
4.4
11.2
20.2
2023
415.2
14.0
2.7
11.3
13.3
3.2
3.3
4.5
0.6
57.9
6.2
10.5
19.7
55.4
4.5
10.8
20.4
414.6
14.3
2.7
11.5
13.6
3.3
3.3
4.5
0.7
59.2
6.3
11.0
20.1
56.4
5.0
11.0
20.6
5 離職率＝当該年度に離職した常勤換算後職員数／当該年度の 10 月 1 日時点の常勤換算後職員数
6 採用率＝当該年度に採用した常勤換算後職員数／当該年度の 10 月 1 日時点の常勤換算後職員数
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