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資料3-2-② 鈴木先生提出資料 (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00348.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第90回 7/13)《厚生労働省》
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まとめと提言


予防接種歴の不明者はオミクロン株の流行開始後に顕著に増加した。その年齢や症状の有無などの属性は接種歴
が既知の群のいずれとも異なり、都道府県によって不明者の割合も大きく異なる。よって、接種者や未接種者い
ずれの一部として単純計算することも困難であり、また、単純な比例配分をすることも難しい。現時点ではこの
接種歴不明の増加(要因1)が、接種者と未接種者の見かけの人口当たり報告数の差に大きく影響していると考
えられる。



他にも、時間経過によるワクチンの有効性の減衰(要因2)、接種者と未接種者の特性の違い(要因3)、未接
種者における既感染者が獲得した免疫の効果(要因4)が影響していると考えられる。これらは複合的に関係し
ており、単一の因子ですべてを説明できるものではない。



以上より、ワクチンの有効性を評価することを目的として接種回数別の見かけの人口当たり報告数を比較するこ
とは、実際の有効性を過大評価、あるいは過小評価(マイナス値を含む)するいずれの可能性もあることから適
切ではない。このデータを引き続き公開する場合には、解釈に際しての注意点を詳細に明記するべきである。



なお、長年の疫学的研究の蓄積により、観察データを用いてワクチンの有効性を適切に評価する複数の手法が開
発されている。WHOは新型コロナワクチンの有効性を評価する手法についてのガイダンスを出している[1]。今後
も、ワクチンの有効性を解釈・検証する際には、こうした標準的な手法を用いて実施された研究の結果(海外か
らの報告、国内については厚生労働省研究班が実施している多施設共同研究の報告等を含む)を参照するべきで
ある。

1. The WHO. Evaluation of COVID-19 vaccine effectiveness. Interim Guidance. 17 March 2021

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