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資料3-2-② 鈴木先生提出資料 (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00348.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第90回 7/13)《厚生労働省》
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ワクチン接種歴別の人口当たり報告数の比較に影響する要因について
ワクチン接種者と未接種者の見かけの人口当たり報告数の比較に際して考慮すべき主な要因を以下に挙げる:
1. わが国では医療現場で予防接種歴を体系的に確認する方法がなく、受診者あるいはその同伴者の記憶に頼って
いる。接種からの期間が経過するほど接種歴不明の割合は増加し、2022年6月時点で3割に及ぶ。この接種歴不
明者を分子から除外することによりバイアスが生ずる。これにより実際の有効性を過大評価、あるいは過小評
価する可能性がある。(要因1)
2. 新型コロナワクチンの有効性は接種直後に高く、数ヶ月から半年かけて減弱する。現時点の2回接種者の大半は
接種から半年以上が経過している。またオミクロン株に対するワクチンの有効性は従来株に比べて低いことが
示されている。これらのことから、現時点の2回目接種者においては接種当初に比べて有効性は低下している可
能性がある。(要因2)
3. 接種者と未接種者の基本的特性、リスク行動、受療行動が大きく異なる可能性がある。例えば、接種者は健康
意識が高くリスク行動を回避する可能性、未接種者は発症しても検査を受けない傾向にある可能性がある。こ
れらにより実際の有効性を過大評価、あるいは過小評価する可能性がある。(要因3)
4. 未接種者に占める既感染者の割合は接種者に比べて高い可能性がある。自然感染により獲得した免疫の感染予
防効果とその減衰速度については十分に解明されていないが、これにより実際の有効性を過小評価する可能性
がある。(要因4)


上記の要因は、理論上は共通のIDを用いて地域住民の予防接種歴(予防接種台帳、VRS)、基礎疾患と服薬履
歴(電子カルテ、レセプトデータ等)と発生届(HER-SYS)を精度よくリンクできるシステムがあれば、適切
な手法を用いて補正を行うことで取り除くことができる可能性がある。しかし、現状においてそれは現実的で
はない。
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