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資料3-2 鈴木先生提出資料 (94 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00348.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第93回 8/3)《厚生労働省》
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まとめ
 当解析では、「成人の日」及び「成人式開催」が新成人における感染伝播に影響を与えたことを定量的に示した。
 成人式が開催されていない自治体に限定した解析において、2022年の成人の日の相対リスクの点推定値は1.34と高かったが統
計的有意差は認めなかった。ただし流行状況の悪化から成人式の開催を中止した市区町村がほとんどであった2021年において
も成人の日の相対リスクが有意に高かったことから、成人式を開催しなくても成人の日自体が新成人の感染者数増加に寄与した
可能性があり、解釈には注意が必要である。
 本研究において以下の制限が主に挙げられる。


当解析では、対照群とされた19歳と21歳の年齢層が、20歳の感染者を通しての成人の日の影響を受けている可能性を除き切れ
ていない。対照群の中には、少数ながら成人の日に関連した感染リスク(成人の日前後での新成人との接触)に曝露した症例が
含まれていたと考えられる。したがって、今回の結果は、因果効果を示しているとは主張できない。



成人式を開催しなかった市区町村に居住する症例であっても帰省先で成人式に参加した可能性がある。



本解析において、サーベイランスデータでは感染日の情報が取得出来ないために発症日ベースの症例数をアウトカムとした。発
症日データには思い出しバイアスや社会的望ましさバイアスが存在する可能性があり得る。



介入群と対照群の間で受診行動が異なっていた可能性がある。介入群である新成人が、成人式に参加したことで心理的に受診し
やすくなった、あるいは自治体から軽微な症状でも受診するように指示されていた場合に新成人の症例はより診断されやすかっ
た可能性がある。

 当解析は「成人の日」及び「成人式開催」の感染伝播に対する影響を調べたものであり、成人式の社会的意義、文化的意義に関
して言及するものではない。新型コロナウイルス感染症流行下での成人式を含む社会イベントのあり方については、多方面から
の議論が必要である。
*研究内表の詳細については掲載論文(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/irv.13027)を参照のこと。

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