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資料3-2_「全ゲノム解析等実行計画2022(仮称)」(案) (59 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27458.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会全ゲノム解析等の推進に関する専門委員会(第11回 8/19)《厚生労働省》
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がん細胞のゲノムを調べて、どの遺伝子に変化が起こっているのかを知り、そ
れぞれの患者のがんがどのような性質のがんなのか、どのような治療法が適し
ているのかを選択していくのが、がんゲノム医療。例えば、日本人の肺がんでは
EGFR という遺伝子の変化が 3 割から 5 割の方のがんで見られる。このようなが
んを持つ患者は、EGFR タンパク質に対する阻害薬(分子標的薬)の効果が高い
ことが知られているため、その時点では、他の抗がん剤よりもまず、EGFR 阻害
薬を用いた治療を行うことが、その患者には適していると言える。全ゲノム解析、
がん遺伝子パネル検査等が含まれる。
<がん遺伝子パネル検査>
がん細胞に起きている数 10-数 100 個の遺伝子の変化を調べ、がんの特徴を知
るための検査で、一部、保険診療として行われている。がんの特徴が分かれば、
一人ひとりに適した治療法を探すことができる。そこで、患者のがん組織や血液
を使って、がん細胞の数十から数百の遺伝子を一度に調べ、その中で起きている
遺伝子の変化を確認する。遺伝子の変化によっては、効きやすい薬が分かる場合
がある。検査結果は「エキスパートパネル」と呼ばれる専門家の集まりで検討し、
担当医はエキスパートパネルで話し合われた結果を参考にして、治療法を患者
に提案する。
<リキッドバイオプシー>
血液や尿、唾液などの体液に含まれる遺伝子を解析する手法。がん遺伝子パネ
ル検査には、がん組織を用いる検査と血液を用いたリキッドバイオプシーによ
る検査が保険医療で認められている。
<解析・データセンター>
医療機関・研究機関から患者等のデータを収集して、セキュリティの高いデー
タベースをつくり、国内外の医療機関・研究機関や企業が、診療や研究・創薬等
に活用するための拠点。多くの患者等のデータを集めることで、その違いや特徴
をより詳細に比較・分析して多様な研究に活用することが可能になる。
<エキスパートパネル>
専門家が集まり、全ゲノム解析結果を医学的に解釈するための多職種による
検討会。解析結果をもとに、検出された遺伝子変異に効果が期待できる薬剤があ
るか、遺伝性腫瘍の可能性があるかなどを検討する。エキスパートパネルの構成
員は、さまざまな臓器のがん薬物療法を専門とする常勤の医師、遺伝医学を専門
とする医師、遺伝カウンセリング技術を有する医療スタッフ、病理を専門とする
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