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資料3-2-② 鈴木先生提出資料 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00348.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第95回 8/18)《厚生労働省》
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新型コロナワクチンの有効性を検討した症例対照研究の暫定報告(第四報):オミクロン株
(BA.1/BA.2 および BA.5)流行期における有効性
2022 年 8 月 17 日
端緒
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの開発は未曾有のスピードで進み、
ファイザー社製およびモデルナ社製の mRNA ワクチンは大規模なランダム化比較試験で高い有
効性(vaccine efficacy)が示された 1-3。免疫の減衰や免疫逃避能を有する変異株の出現が確認さ
れる中で、国内においても、国立感染症研究所にて、複数の医療機関の協力のもとで、発熱外
来等で新型コロナウイルスの検査を受ける者を対象として、症例対照研究(test-negative
design)を実施し 4-5、実社会における有効性(vaccine effectiveness;発症予防効果)を検討して
いる。これまでの暫定報告においては、B.1.1.7 系統(アルファ株)および B.1.617.2 系統(デル
タ株)に対して、高い有効性を示すことが確認された 4-5。さらに、オミクロン株の亜系統であ
る BA.1/BA.2 流行期においては 2 回接種で中程度の有効性を示す一方、3 回目(ブースター)接
種により、高いレベルに有効性が回復することが示された 6-7。2022 年 6 月末以降、国内におけ
る COVID-19 症例は急増しており、これは新たなオミクロン株の亜系統である BA.5 の流行によ
るものである。そこで今回は、関東地方において、BA.5 が 75%以上を占めるとされた 7 月 4 日
から 7 月 31 日の調査における暫定結果を報告する 8-9。参考として、前回報告以降のデータを含
めた BA.1/BA.2 が 75%以上を占めるとされた 1 月 1 日から 6 月 19 日の結果についても有効率の
推定を併記した。
方法
2022 年 7 月 4 日から 7 月 31 日までに関東地方の複数医療機関の発熱外来等を受診した者を対象
に、検査前に基本属性、新型コロナワクチン接種歴などを含む問診票に記載いただいた。意識
障害のある者、直ちに治療が必要な者、日本語での問診票に回答できない者には問診票の配布
を行わなかった。のちに各医療機関で新型コロナウイルス感染症の診断目的に実施している核
酸検査(PCR)の検査結果が判明した際に検査陽性者を症例群(ケース)
、検査陰性者を対照群
(コントロール)と分類した。発症から 14 日以内で、37.5℃以上の発熱、全身倦怠感、寒気、
関節痛、頭痛、鼻汁、咳嗽、咽頭痛、呼吸困難感、嘔気・下痢・腹痛、嗅覚味覚障害のいずれ
か 1 症状のある者に限定して解析を行うこととした。また、期間中にすでに受診した記録のあ
る者は本解析においては除外した。なお、2022 年 7 月以降、一部の医療機関では、16-19 歳の者
も対象に含めることとしている。
ワクチン接種歴については、(1)未接種、
(2)1 回接種または 2 回接種から 13 日以内、
(3)
2 回接種から 14 日-3 ヶ月(14-90 日)、
(4)2 回接種から 3-5 ヶ月(91-150 日)、(5)2 回接種
から 5 ヶ月以降(151 日以降)

(6)3 回(ブースター)接種から 13 日以内、(7)3 回接種か
ら 14 日-3 ヶ月(14-90 日)

(8)3 回接種から 3 ヶ月以上(91 日以降)の 8 つのカテゴリーに
分けた。4 回接種後の者は数が非常に少ないため、今回の報告では除外して解析した。ロジステ
ィック回帰モデルを用いて、オッズ比と 95%信頼区間(CI)を算出した。多変量解析における
調整変数としては、先行研究等を参照し、年代、性別、基礎疾患の有無、職業(医療従事者か

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