性頭痛の緩和においてセルフメディケーションの選択肢を増やす意味で評価に値す
る。しかし、今までのスイッチ OTC と違い、予防および緩和のために服用する点が
正しく認知されなくてはならない。薬剤師が既往歴や具体的な症状等を確認した上
での適切な指導が必要となる。
4

個人以外

【意見、その理由・根拠等】
国民の QOL 改善・向上に寄与すると考えられるジメトチアジンメシル酸塩のス
イッチ化に賛成する。
【御意見の理由、根拠等】
日本 OTC 医薬品協会が実施した従来にはない新たな薬効領域の OTC 医薬品に対
する使用希望に関するアンケート調査によれば、一般の生活者は片頭痛の薬剤が
OTC 医薬品として販売されることを強く希望している（スイッチ OTC 医薬品調査
結果報告書 2010、マクロミル）。また、片頭痛、緊張型頭痛は周囲に相談ができず医
療機関にも受診していない患者が大変多いことから、患者視点では片頭痛および緊
張型頭痛に効果があり、幅広い頭痛をカバーしているジメトチアジンメシル酸塩が
OTC 化されることの意義は大きい。特に時間的に医療機関を受診しづらい労働世代
の治療選択肢の一つとなり、働き方改革の流れの中で社会的な労働時間確保につな
がる可能性がある（日本臨床内科医会のジメトチアジンメシル酸塩に関する見解）
。
頭痛頓挫薬の OTC 医薬品は容易に入手できるメリットがある反面、頭痛の診断
が遅れたり、長期間にわたる不適切な使用で薬剤の使用過多による頭痛（MOH）に
なる可能性が指摘されている。頓挫薬ではなく予防薬に分類される薬剤であるジメ
トチアジンメシル酸塩は MOH、すなわち急性期治療薬の過剰な使用の場合に服用
が考慮される薬剤である（頭痛の診療ガイドライン 2021）。また、ジメトチアジン
メシル酸塩は予防薬の第一選択薬の一つであるロメリジン塩酸塩と同等の効果が確
認され、トリプタン製剤のような併用禁忌および重篤な副作用は認められず、安全
性は高いと考えられている（日本脳神経外科学会のジメトチアジンメシル酸塩に関
する見解）
。
第 18 回検討会議において、使用過多を防ぐために添付文書およびチェックシー
トを活用すること、並びに適正使用および安全性確保のために薬剤師に対する講習
会の実施、薬局・販売店向け資料および頭痛ダイアリーを提供する対応策が示され
ている。
以上から、生活者の高いニーズに応えられ、ロメリジン塩酸塩と同等の効果が確
認され、安全性が高く、また適正使用や安全性確保の対応策が示されたジメトチア
ジンメシル酸塩をスイッチ化することは、国民の QOL 改善・向上に寄与すると考え
る。

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