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総-2-1○先進医療会議からの報告について (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00160.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第528回 9/14)《厚生労働省》
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様式第5号

先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称:EGFR 遺伝子増幅陽性切除不能食道・胃・小腸・尿路上皮・乳がんに対
するネシツムマブ療法
適応症:EGFR 増幅陽性食道・胃・小腸・尿路上皮・乳がん
内容:
(先進性)
複数がん種において、EGFR 遺伝子増幅により EGFR が異常活性し腫瘍が増殖するこ
と、EGFR 阻害薬の有効性を示した非臨床・臨床データが複数報告されていることから、
EGFR 遺伝子増幅はがん種横断的にドライバー遺伝子かつ EGFR 阻害薬による治療標的
になることが示唆されている。しかし、EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんの頻度は低いこ
とから、現在までに第 III 相試験で有効性が示された EGFR 遺伝子増幅を標的とした治
療法がなく、がん種毎の標準治療が行われている。一方で、EGFR 遺伝子増幅陽性固形
がんは、がん遺伝子パネル検査が保険償還される本邦においては実地臨床で一定の割合
で検出されること、複数のがん種で予後不良であることが示されていることから unmet
medical needs であること、ドライバー遺伝子を標的とした治療はがん種毎の標準治療と
比べて有効性が高いとの報告があることから、本試験を実施する社会的意義があると考
えられる。
本試験では EGFR 遺伝子増幅陽性例に対する抗腫瘍効果としてより多くの非臨床・臨床
データを有する抗 EGFR 抗体を選択した。抗 EGFR 抗体薬の中でもネシツムマブは
EGFR 発現細胞において抗体依存性細胞傷害活性を持ち、完全ヒト抗体のため注入に伴
う反応の出現頻度が低く前投薬が不要であること、他の抗 EGFR 抗体薬不応時に出現す
る獲得耐性変異を克服できる可能性が示唆されることから、ネシツムマブを選択した。
(概要)
EGFR 増幅陽性食道・胃・小腸・尿路上皮・乳がんを対象とした多施設共同第 II 相バス
ケット試験である。ネシツムマブ: 800 mg(固定量)を day1, 8(day 15 は休薬)に投与
し、3 週間毎に繰り返す。主要評価項目は客観的奏効割合、副次的評価項目は奏効期間、
無増悪生存期間、安全性、治療開始前 EGFR copy number(CN)やその変化と有効性の
関連等である。登録期間 1 年 6 か月で登録症例数 22 例を予定する。
(効果)
EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんの予後は不良であり、がん種毎の標準治療のみでは予後
改善は不十分である。EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんに対するネシツムマブの有効性に
関する報告は、扁平上皮非小細胞肺がんにおける化学療法へのネシツムマブの上乗せ効
果が EGFR 増幅陽性例で高いことのみであるが、他の抗 EGFR 抗体薬による有効例の
報告が複数ある。本試験でネシツムマブの有効性が示されれば、予後不良な EGFR 遺伝
子増幅陽性固形がんの予後改善に寄与する可能性がある。
(先進医療にかかる費用)
ネシツムマブは日本化薬株式会社より無償提供される。予想される投与回数である 6 コ
ースが投与された場合は、ネシツムマブ投与に使用する医療材料などの費用(36,600 円)
は患者の自己負担となる。その他の外来診療に係る費用は保険診療である。先進医療に要
する総費用は 2,983,420 円、先進医療に係る患者負担費用は 88,434 円である。

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