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感染症週報 2023年第3週(1月16日-1月22日) (7 ページ)
出典
公開元URL | https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2023.html |
出典情報 | 感染症週報 2023年第3週(1月16日-1月22日)(2/3)《国立感染症研究所》 |
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Infectious Diseases Weekly Report Japan
2023年 第3週
(1月16日〜 1月22日)
:通巻第25巻 第3号
注目すべき感染症
◆インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスを原因病原体とする急性の呼吸器感染症で、世界
中で流行がみられる。主な感染経路は、咳、くしゃみ、会話等により発生する飛沫による感染
(飛沫感染)であるが、物の表面等に付着した飛沫に触れた手指を介した接触感染もある。症状
としては、発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻汁・咳などの呼吸器症
状がこれに続く。いわゆる「通常感冒」と比べて全身症状が強いことが特徴であるが、通常は
1週間前後の経過で軽快する。症状のみで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との鑑別は
困難である。
インフルエンザの発生状況は、感染症法に基づき、全国約5,000カ所のインフルエンザ定点医
療機関(小児科定点約3,000、内科定点約2,000)から毎週、届出される患者数等から把握されて
いる。2020/21シーズンおよび2021/22シーズンのインフルエンザ定点当たり報告数のピークは、
それぞれ0.02、0.04と非常に低いレベルであり、全国的な流行開始の指標である1.00を上回る
ことはなかった(シーズン:第36週〜翌年第35週)。しかし、2022/23シーズンは、2022年第40週
以降、第47週を除いて継続して増加し、第51週(12月19〜25日)には1.24(報告数6,103例)と
1.00を上回ったため、全国的にインフルエンザは流行期に入ったと判断された。その後も定点
当たり報告数は、第52週2.05、2023年第1週4.73、第2週7.37、第3週9.59(報告数47,366)と継
続して増加した(2023年1月25日現在。インフルエンザの年別・週別発生状況:https://www.
niid.go.jp/niid/ja/flu-m/813-idsc/map/130-flu-10year.html)。なお、第3週(2023年1月16〜
22日)の都道府県別の定点当たり報告数は、沖縄県(38.77)、福岡県(20.59)、大阪府(20.46)、
宮崎県(17.59)、佐賀県(16.92)、京都府(15.31)、長崎県(14.80)、石川県(13.69)、福井県
(12.14)、兵庫県(12.13)、奈良県(10.87)、和歌山県(10.61)、大分県(10.40)、鹿児島県(9.72)、
香川県(9.45)、愛媛県(8.92)、神奈川県(8.86)、三重県(8.80)、熊本県(8.75)、高知県(8.58)、
千葉県(8.53)、東京都(8.50)、富山県(8.33)、北海道(8.19)、広島県(8.19)、青森県(8.02)、愛
知県(7.96)、滋賀県(7.52)、埼玉県(7.09)、徳島県(6.16)、岡山県(5.83)、栃木県(5.70)、茨城
県(5.58)、長野県(5.57)、新潟県(5.44)、群馬県(4.71)、静岡県(4.56)、福島県(4.40)、島根県
(4.26)、山口県(4.20)、鳥取県(3.86)、岐阜県(3.41)、秋田県(2.61)、宮城県(2.33)、山形県
(2.30)、山梨県(1.85)、岩手県(1.08)の順となっている。38都道府県で前週の報告数よりも増
加がみられた。また、直近3週間(2023年第1〜3週)の定点医療機関(全国約5,000)からの累積
報告数の男女比は、15歳未満の年齢群では1 . 2 : 1 、15〜19歳の年齢群では1 . 9 : 1 、20〜29歳の
年齢群では1 . 3 : 1 と男性に多く、30〜49歳の年齢群では1 : 1 . 3 とやや女性に多かった。小児で
は男性が多く、30~40代では女性が多い傾向は、例年と同様である。
定点医療機関からの報告を基に、2023年第3週に、定点以外を含む全国の医療機関を受診
した患者数を推計すると、約28.7万人
(95%信頼区間:26.1~31.3万人)となり、前週の推計値
(約25.7万人)よりも増加した(2023年1月25日現在)。年齢別では、0~4歳が約4.8万人、5~
9歳が約8.7万人、10~14歳が約4.5万人、15~19歳が約2.8万人、20代が約2.1万人、30代が約
2.3万人、40代が約1.7万人、50代が約0.8万人、60代が約0.5万人、70歳以上が約0.4万人となっ
ている。2022年第36週~2023年第3週の推計受診者数の累積は約89.4万人となった。
病原体サーベイランスにおける、インフルエンザウイルス分離・検出速報によると(https://
www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-inf.html)、2023年1月27日現在インフルエンザウイルス分離・検
出報告数は、2020/21シーズンは6株、2021/22シーズンは53株(うち48株は2022年第25 ~
Ministry of Health, Labour and Welfare / National Institute of Infectious Diseases
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2023年 第3週
(1月16日〜 1月22日)
:通巻第25巻 第3号
注目すべき感染症
◆インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスを原因病原体とする急性の呼吸器感染症で、世界
中で流行がみられる。主な感染経路は、咳、くしゃみ、会話等により発生する飛沫による感染
(飛沫感染)であるが、物の表面等に付着した飛沫に触れた手指を介した接触感染もある。症状
としては、発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻汁・咳などの呼吸器症
状がこれに続く。いわゆる「通常感冒」と比べて全身症状が強いことが特徴であるが、通常は
1週間前後の経過で軽快する。症状のみで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との鑑別は
困難である。
インフルエンザの発生状況は、感染症法に基づき、全国約5,000カ所のインフルエンザ定点医
療機関(小児科定点約3,000、内科定点約2,000)から毎週、届出される患者数等から把握されて
いる。2020/21シーズンおよび2021/22シーズンのインフルエンザ定点当たり報告数のピークは、
それぞれ0.02、0.04と非常に低いレベルであり、全国的な流行開始の指標である1.00を上回る
ことはなかった(シーズン:第36週〜翌年第35週)。しかし、2022/23シーズンは、2022年第40週
以降、第47週を除いて継続して増加し、第51週(12月19〜25日)には1.24(報告数6,103例)と
1.00を上回ったため、全国的にインフルエンザは流行期に入ったと判断された。その後も定点
当たり報告数は、第52週2.05、2023年第1週4.73、第2週7.37、第3週9.59(報告数47,366)と継
続して増加した(2023年1月25日現在。インフルエンザの年別・週別発生状況:https://www.
niid.go.jp/niid/ja/flu-m/813-idsc/map/130-flu-10year.html)。なお、第3週(2023年1月16〜
22日)の都道府県別の定点当たり報告数は、沖縄県(38.77)、福岡県(20.59)、大阪府(20.46)、
宮崎県(17.59)、佐賀県(16.92)、京都府(15.31)、長崎県(14.80)、石川県(13.69)、福井県
(12.14)、兵庫県(12.13)、奈良県(10.87)、和歌山県(10.61)、大分県(10.40)、鹿児島県(9.72)、
香川県(9.45)、愛媛県(8.92)、神奈川県(8.86)、三重県(8.80)、熊本県(8.75)、高知県(8.58)、
千葉県(8.53)、東京都(8.50)、富山県(8.33)、北海道(8.19)、広島県(8.19)、青森県(8.02)、愛
知県(7.96)、滋賀県(7.52)、埼玉県(7.09)、徳島県(6.16)、岡山県(5.83)、栃木県(5.70)、茨城
県(5.58)、長野県(5.57)、新潟県(5.44)、群馬県(4.71)、静岡県(4.56)、福島県(4.40)、島根県
(4.26)、山口県(4.20)、鳥取県(3.86)、岐阜県(3.41)、秋田県(2.61)、宮城県(2.33)、山形県
(2.30)、山梨県(1.85)、岩手県(1.08)の順となっている。38都道府県で前週の報告数よりも増
加がみられた。また、直近3週間(2023年第1〜3週)の定点医療機関(全国約5,000)からの累積
報告数の男女比は、15歳未満の年齢群では1 . 2 : 1 、15〜19歳の年齢群では1 . 9 : 1 、20〜29歳の
年齢群では1 . 3 : 1 と男性に多く、30〜49歳の年齢群では1 : 1 . 3 とやや女性に多かった。小児で
は男性が多く、30~40代では女性が多い傾向は、例年と同様である。
定点医療機関からの報告を基に、2023年第3週に、定点以外を含む全国の医療機関を受診
した患者数を推計すると、約28.7万人
(95%信頼区間:26.1~31.3万人)となり、前週の推計値
(約25.7万人)よりも増加した(2023年1月25日現在)。年齢別では、0~4歳が約4.8万人、5~
9歳が約8.7万人、10~14歳が約4.5万人、15~19歳が約2.8万人、20代が約2.1万人、30代が約
2.3万人、40代が約1.7万人、50代が約0.8万人、60代が約0.5万人、70歳以上が約0.4万人となっ
ている。2022年第36週~2023年第3週の推計受診者数の累積は約89.4万人となった。
病原体サーベイランスにおける、インフルエンザウイルス分離・検出速報によると(https://
www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-inf.html)、2023年1月27日現在インフルエンザウイルス分離・検
出報告数は、2020/21シーズンは6株、2021/22シーズンは53株(うち48株は2022年第25 ~
Ministry of Health, Labour and Welfare / National Institute of Infectious Diseases
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