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2021年度(令和3年度)医療法人の経営状況について (5 ページ)
出典
公開元URL | https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r4/ |
出典情報 | 2021年度(令和3年度)医療法人の経営状況について(3/3)《福祉医療機構》 |
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2022-012
(図表 5)病院主体法人の 2020・2021 年度
の経常利益率の分布(2 か年度同一法人)
(図表 6)2019 年度から 2020 年度にかけ
て長期借入金が増加した病院主体法人の経
営状況(3 か年度同一法人)
単位:%
28.5
26.7
区
6.8
3.3
0.2
4.6
1.4
△2.1
△26.2
△26.4
2020年度
2021年度
2021 年度の最大値、第 3 四分位数、中央値、
n=297
分
2019 年度
2020 年度 2021 年度
事業利益率
%
1.1
△ 0.4 ↘
1.8 ↗
経常利益率
%
1.5
1.9 ↗
5.0 ↗
流動資産
百万円
1,632
2,043 ↗
2,252 ↗
固定資産
百万円
3,925
4,025 ↗
4,039 ↗
流動負債
百万円
1,192
1,161 ↘
1,225 ↗
固定負債
百万円
2,824
3,296 ↗
3,207 ↘
純資産
百万円
1,547
1,624 ↗
1,879 ↗
流動比率
%
137.0
175.9 ↗
183.8 ↗
純資産比率
%
27.8
26.7 ↘
29.8 ↗
借入金比率
%
61.8
69.0 ↗
63.2 ↘
は低下したものの、2019 年度の水準までは回復
および第 1 四分位数の数値2は、それぞれ 2020
年度の同数値よりも約 2 ポイントずつ上昇して
していない。2021 年度は事業利益率、経常利益
おり、図表 3 でみた平均値の経年推移と同様の
率ともに上昇し、経営状況は改善傾向にあるが、
2022 年度はコロナ病床確保料の受給に係る適
傾向となっている。しかし、最小値はほぼ横ば
用要件の変更や物価高騰による影響など、経営
いの△26.4%となり、第 1 四分位と最小値の範
環境は大きく変化している。今後、借入金の返
囲が広がった。このことから、経常利益率につ
済が始まることを見据えた経営管理をしていく
いては上昇した法人が多い一方、マイナスの状
必要がある。
態が続き、経営が厳しい法人も一定程度あるこ
とがうかがえる。
2.2
また、2020 年度に長期借入金によって運転資
老健主体法人の経営状況
収益の増加が費用の増加を上回り、事業利益
率は 3.0%と前年度から 0.9 ポイント上昇
金を調達した法人は、今後その資金を返済して
いくことを考慮した経営が不可欠となる。そこ
で、図表 4 のサンプルのうち、2019 年度から
続いて、介護老人保健施設(以下「老健」とい
2020 年度にかけて長期借入金が増加した法人
う。)が主たる事業の法人(以下「老健主体法人」
に絞って経営状況を確認した(図表 6)。
という。)の経営状況について確認する。
2020 年度の事業利益率は△0.4%となってお
事業利益率は、2020 年度より 0.9 ポイント上
り、補助金等によって経常利益率は 1.9%と上昇
昇し、3.0%となった(図表 7)。事業収益の増加
したものの、固定負債および流動資産が大きく
に伴って事業収益対人件費率や医療材料費率が
増加している。先が見通せないなか、借入によ
低下したことにより、増益となった。一方で、物
り手元の現預金を厚くして予期せぬ事態に備え
価高騰などの影響を受けて事業収益対給食材料
ざるを得ない法人が多かったと思われる。そこ
費率が 0.3 ポイント上昇したことには留意が必
から、2021 年度の借入金比率は 2020 年度より
要である。また、経常利益率は 3.7%と 0.2 ポイ
2 箱ひげ図の数値は、グラフ上部から最大値、第 3 四分位数(75%に位置する値)
、中央値(50%に位置する値)
、第 1 四分位数(25%
に位置する値)、最小値を示している。
Copyright ⓒ 2023Welfare And Medical Service Agency (WAM). All rights reserved.
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(図表 5)病院主体法人の 2020・2021 年度
の経常利益率の分布(2 か年度同一法人)
(図表 6)2019 年度から 2020 年度にかけ
て長期借入金が増加した病院主体法人の経
営状況(3 か年度同一法人)
単位:%
28.5
26.7
区
6.8
3.3
0.2
4.6
1.4
△2.1
△26.2
△26.4
2020年度
2021年度
2021 年度の最大値、第 3 四分位数、中央値、
n=297
分
2019 年度
2020 年度 2021 年度
事業利益率
%
1.1
△ 0.4 ↘
1.8 ↗
経常利益率
%
1.5
1.9 ↗
5.0 ↗
流動資産
百万円
1,632
2,043 ↗
2,252 ↗
固定資産
百万円
3,925
4,025 ↗
4,039 ↗
流動負債
百万円
1,192
1,161 ↘
1,225 ↗
固定負債
百万円
2,824
3,296 ↗
3,207 ↘
純資産
百万円
1,547
1,624 ↗
1,879 ↗
流動比率
%
137.0
175.9 ↗
183.8 ↗
純資産比率
%
27.8
26.7 ↘
29.8 ↗
借入金比率
%
61.8
69.0 ↗
63.2 ↘
は低下したものの、2019 年度の水準までは回復
および第 1 四分位数の数値2は、それぞれ 2020
年度の同数値よりも約 2 ポイントずつ上昇して
していない。2021 年度は事業利益率、経常利益
おり、図表 3 でみた平均値の経年推移と同様の
率ともに上昇し、経営状況は改善傾向にあるが、
2022 年度はコロナ病床確保料の受給に係る適
傾向となっている。しかし、最小値はほぼ横ば
用要件の変更や物価高騰による影響など、経営
いの△26.4%となり、第 1 四分位と最小値の範
環境は大きく変化している。今後、借入金の返
囲が広がった。このことから、経常利益率につ
済が始まることを見据えた経営管理をしていく
いては上昇した法人が多い一方、マイナスの状
必要がある。
態が続き、経営が厳しい法人も一定程度あるこ
とがうかがえる。
2.2
また、2020 年度に長期借入金によって運転資
老健主体法人の経営状況
収益の増加が費用の増加を上回り、事業利益
率は 3.0%と前年度から 0.9 ポイント上昇
金を調達した法人は、今後その資金を返済して
いくことを考慮した経営が不可欠となる。そこ
で、図表 4 のサンプルのうち、2019 年度から
続いて、介護老人保健施設(以下「老健」とい
2020 年度にかけて長期借入金が増加した法人
う。)が主たる事業の法人(以下「老健主体法人」
に絞って経営状況を確認した(図表 6)。
という。)の経営状況について確認する。
2020 年度の事業利益率は△0.4%となってお
事業利益率は、2020 年度より 0.9 ポイント上
り、補助金等によって経常利益率は 1.9%と上昇
昇し、3.0%となった(図表 7)。事業収益の増加
したものの、固定負債および流動資産が大きく
に伴って事業収益対人件費率や医療材料費率が
増加している。先が見通せないなか、借入によ
低下したことにより、増益となった。一方で、物
り手元の現預金を厚くして予期せぬ事態に備え
価高騰などの影響を受けて事業収益対給食材料
ざるを得ない法人が多かったと思われる。そこ
費率が 0.3 ポイント上昇したことには留意が必
から、2021 年度の借入金比率は 2020 年度より
要である。また、経常利益率は 3.7%と 0.2 ポイ
2 箱ひげ図の数値は、グラフ上部から最大値、第 3 四分位数(75%に位置する値)
、中央値(50%に位置する値)
、第 1 四分位数(25%
に位置する値)、最小値を示している。
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