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資料1 (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32303.html
出典情報 抗微生物薬の市場インセンティブに関する検討会(第1回 3/29)《厚生労働省》
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経緯について


我が国は、世界標準の抗微生物剤を数多く開発してきた歴史を持つ。薬剤耐性微生物(ARO)に切り札と
して使用されてきたカルバペネム系抗菌薬であるメロペネムやドリペネム、カルバペネム耐性腸内細菌科

感染症(CRE)に有効な数少ない抗菌薬の一つであるコリスチン、多剤耐性結核に有効な抗結核薬のデラマ
ニド等は我が国発の薬剤である。


しかしながら、その開発数は、1980年代をピークに減少し、国内の抗菌薬の承認数は、1990~99年の
27品目から、2010~19年には11品目にまで減少した。さらに新規に開発される抗微生物剤には更なる薬
剤耐性(AMR)を出現させないために適正使用上の規制がかかるため、製薬企業にとっては創薬に対する経

済的利点が乏しい状況がある。


継続的な新規抗微生物薬の開発のためには、研究開発への公的研究費による支援(いわゆる“プッシュ
型インセンティブ”)に加え、魅力的な投資環境をつくり、新規抗微生薬が継続的に上市される環境を構築
していくことが重要であり、企業の上市後の利益予見可能性を高めることで研究開発を進める動機付けを
行う市場インセンティブ(いわゆる“プル型インセンティブ”) の導入が求められている。



国際社会においても、2021年の先進7カ国(G7)財務大臣会合において、関連する市場インセンティブ
の支援に特に重点を置きつつその幅広いオプションの検討など抗菌薬のインセンティブに関する議論を実
施し、2022年の先進7カ国(G7)首脳声明においても、市場インセンティブを特に強調して新しい抗微生物
薬の開発を奨励することととしており、 英国、スウェーデンでは、市場インセンティブが導入されている。



我が国においても、抗菌薬による治療環境を維持しつつ、国際保健に関する国際的な議論で主導的な役
割を果たすため、市場インセンティブのモデル事業(企業が国の薬剤耐性対策(販売量の適正水準維持)
に協力することで生じる減収に対して、一定額の収入を国が支援すると同時に、抗菌薬の開発を促す仕組
み)を実施するために令和5年度当初予算案に「抗菌薬確保支援事業」として予算を計上している。
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