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資料2-1   ノルトリプチリン塩酸塩製剤におけるニトロソアミン類の 検出への対応について (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33471.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和5年度第3回 6/7)《厚生労働省》
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応性(変異原性)不純物の評価及び管理ガイドライン」(以下「ICH-M7ガイド
ライン」という。)において、変異原性不純物の1日許容摂取量は通常1,500ngとさ
れているものの、ニトロソアミン類など強い発がん性を示す可能性がある物質の許
容摂取量については、「例えば、可能なら類似構造を持つ物質の発がんデータを用い
るなどして、通常、ケースバイケースの方法」で検討をすることとされており、N-
ニトロソノルトリプチリンと構造が一定程度類似し、かつ発がんリスクに関するデ
ータのあるN-メチル-N-ニトロソフェネチルアミンのデータに基づく。このTD50
をもとに、一生涯70年間の曝露を仮定した場合の1日許容摂取量は8ngと算出され
る。

4.製造販売業者より提出されたノルトリプチリン塩酸塩製剤の使用による
健康への影響評価及び今後の方針案について


本剤の製造販売業者により、本剤の服用による健康への影響評価の結果及
び今後の方針案が提出された(資料2-2)。主な内容は以下のとおりである。



ノルトリプチリン製剤60ロットを測定したところ、N-ニトロソノルトリ
プチリンが平均1.646ppm(最小値~最大値:0.625ppm~3.446ppm)検出さ
れている。



N-ニトロソノルトリプチリンについて、がん原性試験等のデータがなく、
動物における発がん性の有無は不明であるが、EMAが参照しているTD50
に基づき検討した結果、本剤150mgを毎日服用し、その使用期間は通常10
年間は超えないと仮定した場合の製剤中の許容限度値(現時点で得られて
いる毒性試験データから最終的な管理目標値として想定される値)は、
0.356ppmであった。また、同仮定に基づく理論上の発がんリスクの上昇の
程度は、4.4×10-5と推定された※2。これは、生涯でおよそ23,000人に1人
が過剰にがんを発症する程度のリスクに相当する。
※2:発がんリスクの評価は、以下の前提で行われた。
・本剤の1日あたりの使用量については、本剤の用法及び用量が「はじめ1回
量としてノルトリプチリン10~25mg相当量を1日3回経口投与する。又はそ
の1日量を2回に分けて経口投与する。その後、症状および副作用を観察しつ
つ、必要ある場合は漸次増量する。通常最大量は1日量としてノルトリプチ
リン150mg相当量以内であり、これを2~3回に分けて経口投与する。」であ
り、通常、150㎎よりも低い場合も多いと想定されているが、より高い値を
採用し150mgを服用し続けた場合を想定して算出した。
・本剤の使用期間については、日本うつ病学会治療ガイドライン Ⅱ.うつ病
2