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AIで早期胃がんの範囲診断が可能に -内視鏡専門医の診断精度に迫る- (2 ページ)

公開元URL https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2023/0606/index.html
出典情報 AIで早期胃がんの範囲診断が可能に-内視鏡専門医の診断精度に迫る-(6/6)《理化学研究所》
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参考資料配付

背景
胃がんは最も死亡率が高いがんの一つであり、全世界で 1 年当たりの新規発
症者は約 100 万人、死者は約 80 万人報告されています注 1)。近年、内視鏡検査
による検診が日本でも導入されつつあり、胃がんの早期発見は死亡率を低減さ
せることが報告されています。一方で、早期の胃がんは隆起や陥凹(かんおう)
などの形態的特徴が乏しく、胃炎などの炎症による変化との判別が難しいこと
から、内視鏡検査での見逃しが問題になることがあります。また、検査装置や医
師の技量の違いによる病変発見率の差が問題となっており、診断能の均霑化[2]
(きんてんか)や増え続ける検査ニーズに対する医師の負担軽減のため、コンピ
ュータを活用した診断支援技術が求められていました。
そこで、内視鏡検査に機械学習を導入した医師の診断支援の取り組みが始ま
っています。大腸内視鏡を対象とした診断支援 AI について多くの研究成果が世
界的に報告され、日本でも医薬品医療機器等法に基づく承認を取得し、実用化が
始まったものもあります。しかし、特に早期の胃がんでは、大腸内視鏡の診断支
援 AI ほどの成果は得られていませんでした。一般に、AI の学習には大量の学習
用データが必要となりますが、早期胃がんは消化器内視鏡の専門医であっても
発見が難しく、学習用データの作成に多くの時間がかかるという問題があった
からです。
この問題に対し、共同研究グループは先行研究において、少数のデータで病変
特徴を効率的に学習できる AI を提案し、早期胃がんのおおよその領域を自動検
出することに成功しました注 2)。一方で、実際の臨床現場では、早期の胃がんの
標準治療となりつつある内視鏡的切除術に向け、切除すべき範囲を正確に同定
する必要があることから、おおよその領域検出では将来の実用化には不十分で
した。
注 1) Bray F, Ferlay J, et al., Global cancer statistics 2018: GLOBOCAN estimates of incidence and mortality worldwide
for 36 cancers in 185 countries. CA Cancer J Clin., 68(6): 394-424, 2018.
注 2) 2018 年 7 月 21 日プレスリリース「AI で早期胃がん領域の高精度検出に成功」
https://www.riken.jp/press/2018/20180721_2/

研究手法と成果
共同研究チームは早期胃がんの範囲診断に向け、画像の 1 画素単位で病変の
存在確率を予測できる AI を構築しました。この AI では、先行研究での小規模な
データを効率的に学習できる機能を維持し、消化器内視鏡の専門医が病変領域
を正確にアノテーション[3]した「がん画像」150 枚、がんが含まれない「正常画
像」150 枚の計 300 枚を基にした学習を実現しています。これらの画像は、国
立がん研究センター東病院で約 1 年間に収集された連続 68 症例から、無作為に
抽出されたものです。データ拡張[4]などによって約 113 万枚に増やした上で、早
期胃がんの表面性状や色調などの細かな画像特徴を、ディープラーニングの一
つである畳み込みニューラルネットワーク(CNN)[5]で学習できるようにしてい
ます。
学習済みの CNN では、新たな入力画像に対して病変の存在確率を 1 画素単位
2