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AIで早期胃がんの範囲診断が可能に -内視鏡専門医の診断精度に迫る- (5 ページ)

公開元URL https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2023/0606/index.html
出典情報 AIで早期胃がんの範囲診断が可能に-内視鏡専門医の診断精度に迫る-(6/6)《理化学研究所》
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参考資料配付

今後の期待
本研究では、少量の学習用データで効率的に早期の胃がん病変を学習できる
AI を開発し、内視鏡検査画像内の病変の有無だけでなく、専門医の範囲診断と
同等の精度で病変の領域予測ができるようになりました。学習用データが少な
くて済むことは、AI を他施設や他装置の画像に適用するための再学習が容易で
あるというメリットがあります。加えて、例えば希少がんなどのように、学習用
データの収集が困難である対象にも適用できる可能性があります。
また本研究では、早期胃がんの領域予測に関して内視鏡専門医による範囲診
断と同等の性能を示すことが出来ました。このことは将来、世界中で増加が予想
される検診や日常診療への内視鏡画像診断の導入に際して、医師の負担を軽減
し、熟練度や装置性能の違いによる診断能の差を軽減するなど、診断技術の均霑
化の強力なツールとなるものと期待できます。
論文情報
<タイトル>
Computer-aided demarcation of early gastric cancer: a pilot comparative study
with endoscopists
<著者名>
Satoko Takemoto, Keisuke Hori, Yoshimasa Sakai, Masaomi Nishimura, Keiichiro
Nakajo, Atsushi Inaba, Maasa Sasabe, Naoki Aoyama, Takashi Watanabe,
Nobuhisa Minakata, Hiroaki Ikematsu, Hideo Yokota, Tomonori Yano
<雑誌>
Journal of Gastroenterology
<DOI>
10.1007/s00535-023-02001-x
補足説明
[1] ディープラーニング

機械学習の計算手法の一つで、多層(狭義には 4 層以上)のニューラルネットワーク
のこと。画像や動画、テキスト、音声などの分類・識別問題に用いられている。ニュ
ーラルネットワークとは、脳機能に見られるいくつかのネットワークを計算機上のシ
ミュレーションで表現することを目指した数学モデルである。

[2] 均霑化
ここでは、がんに対する標準的な専門医療を、多くの患者が医師や施設の違いなく受
けられるよう、医療技術などの格差の是正を図ることを指す。

[3] アノテーション
ディープラーニングなどの機械学習の際に、人間による判断を正解情報として利用す
る場合があり、例えば画像診断であれば単なる数値集合である画像に何らかの意味情
報を付与する必要がある。この作業をアノテーションと呼ぶ。ここでは、検査画像に
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