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別紙3 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00042.html
出典情報 先進医療会議(第108回先進医療会議、第129回先進医療技術審査部会 3/3)《厚生労働省》
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別紙3-1
様式第5号

先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称:人工呼吸管理を要する ARDS 患者に対するセボフルラン鎮静療法
適応症:努力呼吸が継続し、通常の鎮静療法で肺保護換気が不可能な ARDS
内容:
(先進性)
人工呼吸器管理下の ARDS 患者では、一回換気量を制御した肺保護換気の維持が推奨されて
いるが、実臨床では、努力呼吸が継続して、肺保護換気ができない患者が存在する。鎮静薬とし
ては、通常はプロポフォールが使用されているが、その最大投与量である 3mg/kg/hr を投与して
も有害と考えられる吸気努力を生じ、肺保護換気を行うことができない患者が存在する。セボフ
ルランは、全身麻酔に鎮静薬として使用される吸入麻酔薬で、呼吸に対して抑制的な作用をもち、
軽度の筋弛緩作用を有するため、プロポフォールを投与する治療を行っても一回換気量を十分に
低く管理することができない患者にセボフルランを使用することで、一回換気量の制御が可能に
なるという期待がある。セボフルランは手術室での全身麻酔にのみ使用可能であったが、昨今、
簡易気化器アナコンダ STM の登場により、これを ICU の人工呼吸器に装着してセボフルランな
どの吸入麻酔薬を使用することが可能となった。そこで、ARDS で過剰な努力呼吸を呈する患者
に、アナコンダ S を使用してセボフルランを投与することで、一回換気量の制御が可能になると
考える。これまでに、鎮静剤が人工呼吸器使用中の ARDS 患者の呼吸メカニクスに与える影響に
ついて、セボフルランとプロポフォールを比較した臨床試験はないが、本技術は従来の標準的治
療法であるプロポフォールによる鎮静で制御不能かつ代替療法がなかった症例に新たに肺障害
の低減が期待されるため、本技術の先進性は高い。
(概要)
プロポフォール鎮静(最大 3mg/kg/hr)下で人工呼吸管理中の ARDS 患者が、過度な吸気努力
により、一回換気量が 10ml/kg(予測体重)以上を呈する場合に、鎮静剤をセボフルランに変更
することで、開始6時間の時点で一回換気量が低下するかを検討する。同時に、呼吸メカニクス、
酸素化能、肺胞及び全身の炎症作用と肺胞細胞の障害への影響、ならびにセボフルランによる鎮
静方法の安全性を評価する。セボフルラン投与のために人工鼻をアナコンダ S に変更し、呼吸メ
カニクスの測定のために人工呼吸器をハミルトン5に変更し、食道内圧計が付与された胃管チュ
ーブを使用する。いずれの処置も本 ICU において重症呼吸不全患者に対して日常的に行われて
いる処置であり、医療従事者はトレーニング済みである。
(効果)
セボフルラン鎮静により努力呼吸が制御され、プロポフォール鎮静では肺保護換気が不可能で
あった患者で、努力呼吸の制御により一回換気量の減少が得られ、肺保護換気ができるようにな
れば、患者予後の改善が期待できる。
(先進医療にかかる費用)
本技術に係る総費用は 846,230 円である。先進医療に係る費用は 81,990 円で、このうち全額
が研究者負担(病院から支給される研究奨励費)となるため、患者負担額は保険外併用療養費分
に係る一部負担金 229,272 円である。企業等からの資金提供や薬剤提供はない。

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