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〈参考1〉医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会 報告書 (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33831.html
出典情報 医療用医薬品の流通改善に関する懇談会(第34回 6/26)《厚生労働省》
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日本の製薬企業がこの変化に立ち後れた原因は様々あると考えられるが、例えば、日
本製薬工業協会のレポート 1 9 によると、90 年代に世界的な医薬品のトレンドが生活習慣
病となる中で、国内の大手製薬企業は、先の見えないバイオ医薬品ではなく、生活習
慣病関連の医薬品の研究開発に集中するとともに、それら大型商品の海外販路拡大へ
投資することを選択したことが挙げられている。



この結果、2000 年前後に欧米大手はバイオの技術やシーズを買収し、バイオ医薬品
のパイプライン 2 0 拡充を図ったが、国内大手はそのスピードに追いつかず遅れを取るこ
と に つ な が っ た こ と が 指 摘 さ れ て い る 。 こ の よ う な 企 業 行 動 と な っ た 背 景 の 一 つ に は、
バイオ医薬品等の新しい分野の製品を開発せずとも一定程度安定的な収益を上げるこ
とができている環境にあったことが考えられる。



また、バイオ医薬品、再生医療等製品等の新規モダリティと従来の低分子医薬では、
創薬プロセスが異なり、モダリティの変化に伴って、研究開発のみならず、製造や販
売などのバリューチェーン全体でより広範で高度な技術や知識が求められるため、そ
の事業化に当たっては、組織や人材の能力(ケイパビリティ)を変革させなければな
らないが、上記のような背景の中で、日本の多くの製薬企業はこの投資に踏み切らな
かったものと考えられる。

(研究開発型のビジネスモデルへの転換促進の必要性)


本来、研究開発型の収益構造(ビジネスモデル)として求められるのは、以下のとお
りと考えられる。


特 許 期 間 中 の 新 薬 の 売 上 で 当 該 新 薬 の 開 発 に 係 る 研 究 開 発 費 を 回 収 す る と と も に、
新たにバイオ医薬品を含む革新的新薬の創出に向けた投資を行う。




後 発 品 上 市 後 は 、 自 ら は 市 場 か ら 撤 退 し 、 後 発 品 企 業 に 安 定 供 給 等 の 役 割 を 譲 る。
しかしながら、日本の製薬企業は、欧米の企業と比較し、必ずしも十分な研究開発力

を有していない中で、後述のとおり、薬価制度上の課題もあり、結果として、長期収
載品による収益に依存している先発品企業が多い傾向にある 2 1 。


こ の よ う な 実 態 を 踏 ま え 、 高 い 創 薬 力 を 持 ち 国 際 競 争 力 を 有 す る 産 業 構 造 へ と 変革
(トランスフォーメーション)していくため、新薬の開発を製薬企業に促す取組を更
に進める必要がある。

(長期収載品の置換え)


これまで政府においては、長期収載品に依存しない企業を育成するため、薬価制度 2 2
において後発品の置換え状況に応じて長期収載品の薬価を引き下げることで、研究開

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日本製薬工業協会バイオ医薬品委員会見解(平成 26 年(2014 年)2月)
研究開発中の医薬品候補。
第8回 医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会 資料 p1 3
後発品の置換え率に応じ、長期収載品の薬価を段階的に引下げる制度(第8回 医薬品の迅速・安
定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会 資料 p8)

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