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〈参考1〉医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会 報告書 (9 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33831.html
出典情報 医療用医薬品の流通改善に関する懇談会(第34回 6/26)《厚生労働省》
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なくなることによる、原薬の調達価格の上昇や、原薬製造業者における供給先として
の優先順位の低下なども課題として指摘されている。


こうした原薬や原材料の調達段階を中心としたグローバルサプライチェーンの断絶化
の動きだけでなく、国内のサプライチェーンにおいても、製薬企業において在庫管理
を行っていた倉庫の火災により、特定品目やその同一成分規格の品目に供給不安が生
じるといった事態も発生している。



このようなサプライチェーンが断絶することにより供給不安につながるリスクについ
ては、一義的には医薬品を供給する製薬企業において事業継続計画(BCP)という形で
対策が求められる。



しかしながら、現下の後発品の供給問題のように、当該リスクの背景は、様々あるが、
公定価格により価格転嫁が困難である等の制度的又は構造的な要因により、一企業だ
けではリスクへの十分な対処が困難な場合があると考えられる。リスクが顕在化した
場合、医療への影響を考慮し、いわば医療安全保障という観点から公的関与が求めら
れる。

(サプライチェーン情報の共有化に向けた現状の取組)


医薬品は安定的な供給が行われることが求められるが、上記のサプライチェーンの断
絶など何らかの事情により、出荷停止又は限定出荷が行われる場合がある。その際に
は、医療上の必要性に応じて、代替薬の使用や他の製薬企業による増産対応、買い占
め等による在庫の偏在防止等の取組が必要となるが、こうした取組を適切かつ効果的
に実施するためには、その前提として、一連のサプライチェーン情報について流通関
係者間での適切な共有が重要である。



また、医薬品の 28.2%が出荷停止や限定出荷となっている現状において、一元的か
つ十分な情報提供がなされていないことが、先々に不安を抱く医療関係者からの注文
の増加を招き、このことが更なる限定出荷につながっているという実態も指摘されて
いる。



こうした状況に対して、現状では、平時から出荷停止又は限定出荷のおそれがある場
合には、製薬企業に対して、供給再開の見通しや代替薬又は代替治療等に関して情報
提供を行うよう指導が行われている 1 2 ほか、足下の供給不安に対しては、日本製薬団体
連合会において、医療用医薬品全体の出荷状況の調査及び公表が定期的に行われてい
る。



しかしながら、供給側の情報に限定されていることに加え、その情報の公表も現在は
1ヶ月ごとであり、在庫の偏在等を防止するための一連のサプライチェーン情報の共
有という観点からは、必ずしも必要な情報が迅速に共有されているとは言い難い状況
にある。

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「医療用医薬品の供給不足に係る適切な情報提供について」(令和2年 12 月 18 日付医政経発 1218
第3号厚生労働省医政局経済課長通知)

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