[がん対策] 職域のがん検診でマニュアルを策定 がん検診検討会
厚生労働省は2月7日に開かれた「がん検診のあり方に関する検討会」に、「職域におけるがん検診に関するマニュアル」の案を提示した。がん検診について国は、第3期がん対策推進基本計画(2017年10月閣議決定)で、現在30~40%台にとどまっている受診率を50%まで引き上げる個別目標を掲げている。職場のがん検診も受診率向上への貢献が期待されているが、市町村のがん検診と違って法的根拠がないだけに、対象年齢や検査項目、実施方法がまちまちなのが実情。今回のマニュアル策定は、事業者や保険者ががん検診を行う際の参考として活用してもらうことを狙ったものだ。
マニュアル案は、(1)胃がん、(2)子宮頸がん、(3)肺がん、(4)乳がん、(5)大腸がん-の5つのがんについて、検診項目や対象年齢、受診間隔などを示した。例えば、肺がん検診は40歳以上を対象に原則、年1回実施。検査項目は、質問(医師による問診を含む)と胸部エックス線検査とし、質問の結果、50歳以上かつ喫煙指数(1日本数×年数)が600以上であることがわかった者には、さらに喀痰細胞診を行うとした(参照)。
このほか、推奨レベルが低い(個人の判断に基づく受診は妨げない/適切な説明に基づき、個人レベルで検討する/推奨しない)がん検診の方法や、がん検診の精度管理、健康情報の取り扱いで保険者や事業者が留意すべき事項-などの情報も盛り込んだ(参照)。
マニュアルの位置づけについては、「がん検診の項目等を設定し、職域におけるがん検診において参考となるものを目指すものであり、現在職域で特定の目的をもって行われている既存の任意型検診を妨げるものではない」と明記した(参照)。
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