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2017年12月22日(金)

注目の記事 [改定速報] 各側委員が意見書提出、年明けから個別改定論議 中医協総会1

中央社会保険医療協議会 総会(第381回 12/22)《厚生労働省》
発信元:厚生労働省 保険局 医療課   カテゴリ: 30年度同時改定 診療報酬
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今回のポイント

●中央社会保険医療協議会の支払・診療側委員はそれぞれ、診療報酬の個別改定項目についての意見書を12月22日の総会に提出
○支払側は、入院報酬の見直しで段階的に設定される実績部分評価のうち、急性期で最も高い7対1相当評価の「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合を現行の25%以上から30%以上に引き上げることなどを、診療側は【初・再診料】の引き上げなどを要望
○25対1療養病棟入院基本料の経過措置期間では支払側が2年間での廃止を主張したのに対して、診療側は介護療養病床に合わせて6年間の延長を要求するなど意見が分かれた。中医協は年明けから個別改定項目の議論に入る


 中央社会保険医療協議会の支払・診療側委員はそれぞれ、診療報酬の個別改定項目についての意見書を12月22日の総会に提出した。支払側は、2018年度改定の目玉となる入院報酬の見直しで、段階的に設定される実績部分評価のうち、急性期で最も高い7対1相当評価の「重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)」の該当患者割合を現行の25%以上から30%以上に引き上げることなどを要望。診療側は【初・再診料】の引き上げを強く求めた。【25対1療養病棟入院基本料】の経過措置期間では、支払側が2年間での廃止を主張したのに対して、診療側は6年間の延長を要求するなど、意見の隔たりが大きい項目もあり、年明けに再開される議論の行方が注目される。
 
 入院料の見直しで支払側は、看護配置基準などに応じた「基本部分」に、診療実績に応じて変動する段階的評価(実績部分)を上乗せする報酬体系に見直す案に、賛意を表明。その際、現在の【7対1、10対1一般病棟入院基本料】に相当する急性期の実績部分の最も高い評価には7対1相当の要件を適用し、該当患者割合は30%以上に引き上げるべきとした。7対1と10対1の間に新設される中間的な評価については、10対1からの移行を認めないことや、DPCデータでの看護必要度測定を要件化することなどを要求した(参照)
 【療養病棟入院基本料】を20対1に一本化する方向も支持した。ただし、医療区分2、3の該当患者割合は厚生労働省が提案した25対1相当の50%ではなく、現行の20対1の基準と同じ80%とするべきと主張。25対1の看護配置と、施設基準の一部を満たせない医療機関の存続を容認する経過措置(ただし、報酬は5%減算)は、2年間での廃止を求めた。 
 
 【地域包括ケア病棟入院料】では、自宅から入院するサブアキュート患者と、急性期病棟から転棟してくるポストアキュート患者の評価を「財政中立」を前提に区別することを提案(参照)。回復期リハビリテーション病棟では、リハビリにおけるアウトカム評価が一層進むよう、判定の基準となる実績指数の値(現行は27点)の引き上げを求めた(参照)
 
 外来医療では、生活習慣病の重症化予防を目指し、生活習慣病関連の医学管理料において、医師による特定健診の受診有無の確認といった、保険者との連携を要件化することや、アウトカム評価の導入を提案(参照)。在宅医療では、診療側が強く要望している、複数医療機関の医師による訪問診療について、主治医とは診療科が異なる医師が訪問した場合に対象を限定し、患者1人当たりの算定回数に上限を設定することなどを求めた(参照)。オンラインによる遠隔診療に関しても、主治医が行うことを基本とすることや、1月単位の定額報酬とするなど、一定の制限を設けることを求めた(参照)
 
 
◆【初・再診料】引き上げや、院内・院外の調剤料格差是正など要求 診療側

 一方、診療側は、【初・再診料】を医師の技術料の最も基本的な部分であるとともに、経営原資となるものと位置づけ、職員の人件費や施設費などのコストに見合った点数に引き上げることを要望(参照)

 入院料では、新評価体系の見直しに際して、7対1病棟の看護必要度・該当患者割合で、緩和措置(23%)の適用を受けている200床未満の医療機関や、病棟群単位での届出を行っている医療機関への配慮を求めた。現在、看護必要度が用いられている、急性期入院医療の実績評価の指標に関しては、DPCデータによる該当患者割合の分布や相関などを引き続き検証し、多職種配置を基本にした新たな指標の創設に向けた検討を行うこと、とした。支払側が2年で廃止すべきとしている、25対1療養病棟などの経過措置期間については、介護療養病床から介護医療院への移行期間に合わせて6年間とすることを求めた(参照)。【地域包括ケア病棟入院料】については、在宅からの患者受け入れ機能の評価のほか、高額薬剤の包括範囲からの除外や、2単位を超えるリハビリの出来高算定を認めるよう、要請した(参照)

 投薬関係では、院内処方と調剤薬局の報酬格差が大きいことを問題視し、院内処方における一包化加算、処方料、調剤料の引き上げと、後発医薬品関連の加算の新設を要望。7種類以上の内服薬の処方や、向精神薬を多剤投与する際の処方料、薬剤料、処方せん料の減算措置の廃止や、90日以上の超長期処方の際に理由の記載を義務づけるなど、長期投薬を減らすための取り組みの導入を提案した(参照)
 

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