[改定速報] 次回診療報酬改定に向け、各立場の関係者が意見 中医協公聴会
今回のポイント
●中央社会保険医療協議会は1月19日、公聴会を開き、公募で選ばれた保険者、医療関係者、患者代表から2018年度診療報酬改定についての意見を聴取○2025年を見据えた地域包括ケアシステムと在宅医療の受け皿整備、病床機能の分化・連携の推進の必要性で発言者の意見は概ね一致したが、遠隔診療では推進に前向きな保険者に対して、医療関係者は慎重姿勢を示すなど、見解が分かれる部分もあった
中央社会保険医療協議会は1月19日、公聴会を開き、公募で選ばれた保険者、医療関係者、患者代表から2018年度診療報酬改定についての意見を聞いた。保険者、医療関係者とも、2025年を見据えた地域包括ケアシステムと在宅医療の受け皿整備、病床機能の分化・連携の推進の必要性を訴えたが、遠隔診療などでは意見が分かれた。なお、中医協は2月上旬と見込まれる答申に向け、1月24日の総会以降、個別改定項目の議論に入る。
公聴会では、健康保険組合、国民健康保険などの保険者、病院、診療所、薬局、訪問看護ステーションなどの医療関係者、患者代表がそれぞれの立場から意見陳述した。
このうち病院関係者は、「民間、公的病院とも7対1入院基本料を算定しているところが一番苦しい。7対1病床の削減ありきで議論されているが、これ以上の経営悪化を招かないようにお願いしたい」とし、「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合の基準を現在の25%以上に据え置くことを要望。【地域包括ケア病棟入院料】では、大規模急性期病院による算定を問題視し、「当初の理念に立ち返り、中小病院の評価にするべき」と述べた。
診療所関係者は、かかりつけ医機能の診療報酬上の評価を求めたほか、遠隔診療の推進について、「あくまで対面の補完であり、安全性と有効性の担保が先決」と慎重姿勢を示した。薬局関係者は、後発医薬品シェア80%の目標について、「なかなか届かず、在庫数が2,500を超えるところもあり、管理の負担も増えている。達成のためには、行政と保険者との連携が必要で啓発を含めた対応をお願いしたい」と述べた。
一方、健保組合の関係者は、生活習慣病の重症化予防には、医師と保険者が連携して患者を脱落させないようにする仕組みが必要とし、「ICTなども活用した、時代にあった効率的な医療提供体制を構築するべき」との認識を示した。患者代表や保険料を支払う労働者の立場から発言した連合の代表者は、診療明細書の無料提供と、その重要性について患者への啓発を推進することを求めた。
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