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感染症週報 2023年第28週(7月10日-7月16日) (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2023.html |
出典情報 | 感染症週報 2023年第28週(7月10日-7月16日)(7/28)《国立感染症研究所》 |
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Infectious Diseases Weekly Report Japan
2023年 第28週
(7月10日〜 7月16日)
:通巻第25巻 第28号
RSウイルス感染症:第1〜28週における累積報告数の年齢分布(2018〜2023年)
0歳
1歳
2歳
3歳
4歳以上
2018 年
(n=34,249)
39.9%
34.5%
13.8%
6.9%
4.9%
2019 年
(n=35,110)
38.0%
34.7%
14.8%
7.2%
5.3%
2020 年
(n=12,180)
33.8%
33.5%
17.2%
7.8%
7.7%
2021 年
(n=135,744)
17.2%
30.8%
25.2%
15.2%
11.5%
2022 年
(n=33,673)
20.1%
30.6%
23.5%
15.3%
10.4%
2023 年
(n=106,403)
26.1%
30.7%
18.7%
12.2%
12.3%
* 累積報告数は、各年第28週の集計時速報値 (参照)
IDWR速報データ:https://www.niid.go.jp/niid/ja/data.html
第1〜28週の累積報告数では、2023年の0歳の報告数が2018~2023年のなかで最も多く、
1歳、2歳、3歳、4歳以上の年齢においても2021年に次ぐ報告数であった。
また、5類全数報告対象である急性脳炎として2018~2023年に届出された症例において、
RSVを原因病原体として届出されたのは、いずれも第28週時点で2018年は5例、2019年は3例、
2020年は1例、2021年および2022年は2例、2023年は3例であった。
おわりに
ヘルパンギーナの流行は例年7〜8月が多く、2014~2020年のピーク週は第28~32週の範囲
であった。2020〜2022年は流行自体が小さく、またピーク週も2021年は第42週、2022年は第
35週であった。2023年の定点当たり報告数は、第4~28週まで、過去10年の当該週の定点当
たり報告数を毎週上回っており、第25~28週の各週の定点当たり報告数は、2013~2022年で
最高値であった週の定点当たり報告数(2014年第29週:4.94)よりも大きかった。第28週は前
週より減少したが依然として高い水準で推移している。RSウイルス感染症は、第18~27週の
定点当たり報告数は継続して増加した。第28週はやや減少したが依然として昨年のピーク値を
上回っている。いずれの感染症においても、引き続き発生動向を注視する必要がある。
ヘルパンギーナにおいては、感染者との濃厚な接触を避け、回復後にもウイルスの排出がしば
らく持続することがあるため、手指の消毒の励行と排泄物の適正な処理、またタオルや遊具
(お
もちゃなど)を共有しないことや飛沫対策等が感染予防策となる。通常、対症療法が行われ予
後良好とされているが、口腔内病変の疼痛による拒食や哺乳障害から生じる脱水、合併症等に
よる重症化に注意することが重要である。RSウイルス感染症においては、家族内にハイリスク
者(乳幼児や慢性呼吸器疾患等の基礎疾患を有する高齢者)が存在する場合、罹患により重症
となる可能性があるため、飛沫感染や接触感染に対する適切な感染予防策を講じることが重要
である。飛沫感染対策としてマスク着用(乳幼児以外)や咳エチケット、接触感染対策として手
洗いや手指衛生といった基本的な対策を徹底することが求められる。
ヘルパンギーナ・RSウイルス感染症の感染症発生動向調査に関する詳細な情報と最新の状
況については、以下を参照いただきたい:
Ministry of Health, Labour and Welfare / National Institute of Infectious Diseases
16
2023年 第28週
(7月10日〜 7月16日)
:通巻第25巻 第28号
RSウイルス感染症:第1〜28週における累積報告数の年齢分布(2018〜2023年)
0歳
1歳
2歳
3歳
4歳以上
2018 年
(n=34,249)
39.9%
34.5%
13.8%
6.9%
4.9%
2019 年
(n=35,110)
38.0%
34.7%
14.8%
7.2%
5.3%
2020 年
(n=12,180)
33.8%
33.5%
17.2%
7.8%
7.7%
2021 年
(n=135,744)
17.2%
30.8%
25.2%
15.2%
11.5%
2022 年
(n=33,673)
20.1%
30.6%
23.5%
15.3%
10.4%
2023 年
(n=106,403)
26.1%
30.7%
18.7%
12.2%
12.3%
* 累積報告数は、各年第28週の集計時速報値 (参照)
IDWR速報データ:https://www.niid.go.jp/niid/ja/data.html
第1〜28週の累積報告数では、2023年の0歳の報告数が2018~2023年のなかで最も多く、
1歳、2歳、3歳、4歳以上の年齢においても2021年に次ぐ報告数であった。
また、5類全数報告対象である急性脳炎として2018~2023年に届出された症例において、
RSVを原因病原体として届出されたのは、いずれも第28週時点で2018年は5例、2019年は3例、
2020年は1例、2021年および2022年は2例、2023年は3例であった。
おわりに
ヘルパンギーナの流行は例年7〜8月が多く、2014~2020年のピーク週は第28~32週の範囲
であった。2020〜2022年は流行自体が小さく、またピーク週も2021年は第42週、2022年は第
35週であった。2023年の定点当たり報告数は、第4~28週まで、過去10年の当該週の定点当
たり報告数を毎週上回っており、第25~28週の各週の定点当たり報告数は、2013~2022年で
最高値であった週の定点当たり報告数(2014年第29週:4.94)よりも大きかった。第28週は前
週より減少したが依然として高い水準で推移している。RSウイルス感染症は、第18~27週の
定点当たり報告数は継続して増加した。第28週はやや減少したが依然として昨年のピーク値を
上回っている。いずれの感染症においても、引き続き発生動向を注視する必要がある。
ヘルパンギーナにおいては、感染者との濃厚な接触を避け、回復後にもウイルスの排出がしば
らく持続することがあるため、手指の消毒の励行と排泄物の適正な処理、またタオルや遊具
(お
もちゃなど)を共有しないことや飛沫対策等が感染予防策となる。通常、対症療法が行われ予
後良好とされているが、口腔内病変の疼痛による拒食や哺乳障害から生じる脱水、合併症等に
よる重症化に注意することが重要である。RSウイルス感染症においては、家族内にハイリスク
者(乳幼児や慢性呼吸器疾患等の基礎疾患を有する高齢者)が存在する場合、罹患により重症
となる可能性があるため、飛沫感染や接触感染に対する適切な感染予防策を講じることが重要
である。飛沫感染対策としてマスク着用(乳幼児以外)や咳エチケット、接触感染対策として手
洗いや手指衛生といった基本的な対策を徹底することが求められる。
ヘルパンギーナ・RSウイルス感染症の感染症発生動向調査に関する詳細な情報と最新の状
況については、以下を参照いただきたい:
Ministry of Health, Labour and Welfare / National Institute of Infectious Diseases
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