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参考資料2 「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等に係る報告(第二次、第三次)の補遺(令和5年6月8日 総合科学技術・イノベ-ション会議) (48 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2023/mext_00001.html
出典情報 科学技術・学術審議会 生命倫理・安全部会(第53回 8/31)《文部科学省》
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することが適切である。
したがって、研究用新規胚を作成して行う研究について、遺伝性・先天性疾
患及びミトコンドリア病に関する基礎的研究を行う場合は、科学的合理性及び
社会的妥当性に係る余剰胚での代替不可能性や配偶子の提供に当たってのイ
ンフォームド・コンセントに係る配慮事項という追加的な留意点について、A
RT指針における規定を踏まえつつ、個別の研究計画を確認することを前提に、
これらの研究を容認することが妥当である。
この見解に基づき、調査会としては、関連する指針の策定又は改定に向け、
具体的に検討するよう関連府省に求めることとする。併せて、Ⅰ.2.に述べ
たとおり、臨床利用についての法的規制のあり方を含めた適切な制度的枠組み
についても、引き続き検討するよう関係府省に求めることとする。
また、この見解が、Ⅰ.3.に述べたとおり、社会の基本的価値の認識と合
意を基礎とした社会規範に係るものであることから、国民的な議論の確保に係
る取組を継続して行うよう関係府省に求めることとする。
このような見解を示すに当たっては、国際的な検討の状況を参考としつつ、
国際的な研究コミュニティや国際機関等における議論に対する情報発信や、国
際協調に基づく検討が重要であることから、引き続きこうした取組を行ってい
くこととする。
なお、この見解は現時点において調査会が検討を行った結果であって、今後、
ゲノム編集技術等の将来の技術的進展や社会的受容の変化に係る調査及び検
討を加え、その結果に応じて必要な見直し等の措置を講じるべきである。

Ⅳ.おわりに
基本的考え方の取りまとめ以降、ゲノム編集技術等の向上に伴い、ヒト胚研
究に当該技術が利用される場合の倫理的な課題や、ヒト胚の尊厳を損なわない
ための方策について検討してきた結果が、第一次報告、第二次報告及び本報告
である。本報告をもって、ゲノム編集技術等を用いるヒト胚研究に関する検討
には、一定の区切りを付けることとなる。
生命科学の進展はめまぐるしく、ヒト胚を取り巻く様々な技術が常に変化し
ている状況において、こうした新たな技術を社会で活用するに当たり生じるE
LSI 23に対応することは常に求められる。今後、ヒト胚に関する新たな技術
が出現した場合等、科学技術に関する生命倫理上の課題が生じたときには、調
査会として、今般行ってきた基本的考え方の見直しに係る一連の検討と同様に、
最新の科学的知見や社会的妥当性の評価に基づく検討を行っていくこととし
たい。

23

ELSI:Ethical, Legal and Social Implications/Issues。倫理的・法的・社会的な課題。
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