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参考資料2 「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等に係る報告(第二次、第三次)の補遺(令和5年6月8日 総合科学技術・イノベ-ション会議) (9 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2023/mext_00001.html |
出典情報 | 科学技術・学術審議会 生命倫理・安全部会(第53回 8/31)《文部科学省》 |
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(1)研究目的のヒト受精胚の作成・利用
ヒト受精胚の研究目的での作成・利用は、ヒト受精胚を損なう取扱いを前提としてお
り、認められないが、基本原則における例外の条件を満たす場合も考えられ、この場合
には容認し得る。
その場合においても、ヒト受精胚は、体外にあって胎盤を形成しない限り、発生の過
程が進んでも「胚」として扱われるため、研究目的の作成・利用については、その取扱
いの期間を限定する必要がある。
ヒト受精胚は、原始線条を形成して臓器分化を開始する前までは、ヒト受精胚の細胞
(胚性細胞)が多分化性を有していることから、ヒト個体としての発育を開始する段階
に至っていないと考えることができるが、原始線条を形成して臓器分化を開始してから
は、ヒト個体としての発育を開始したものと考えることができる。これを踏まえ、研究
目的でのヒト受精胚の作成・利用においては、その取扱い期間を原始線条の形成前まで
に限定すべきである。
個々の事例の容認の可否については個別に検討する必要があるが、研究の主な目的に
対しての一般的な考察結果は次のとおりである。
ア 生殖補助医療研究目的での作成・利用
生殖補助医療研究は、これまで体外受精の成功率の向上等、生殖補助医療技術の向上
に貢献しており、今後とも、生殖補助医療技術の維持や生殖補助医療の安全性確保に必
要と考えられる。こうした研究成果に今後も期待することには、十分科学的に合理性が
あるとともに、社会的にも妥当性がある。このため、生殖補助医療研究のためのヒト受
精胚の作成・利用は容認し得る。
イ 先天性の難病に関する研究目的での作成・利用
現時点では、この分野の研究においてヒト受精胚の作成・利用を伴う研究を行う具体
的必要性が確認できなかったが、容認する余地はあり、先天性の難病に関する研究が今
後進展することを期待し、将来、必要性が生じた時点で改めて検討することとする。
○ 生命倫理専門調査会及び「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等
に係るタスク・フォース(以下、
「タスク・フォース」という。)においては、
近年技術革新が著しいゲノム編集技術等のヒト受精胚への適用について、こ
の「基本的考え方」に示された認識を起点とし、過去の議論の上に立って、こ
の要件を満たす研究目的の見直しも含め議論を重ねてきた。
すなわち、ゲノム編集技術等における研究開発の進捗は極めて速く、病因等
に関連する遺伝子解析等の技術の進展と相まって、生殖補助医療、遺伝性難病
等の根治的療法の開発へとつながる可能性が示唆されるとともに、移植を前提
としない研究であっても、これらの治療法や疾患の研究に資する知見が得られ
る可能性を示す国際的な学術論文も発表されるようになっている。一方、ヒト
受精胚を用いる研究の実施にあたっては、「ヒトの尊厳」を守るためヒト受精
胚を特に尊重した取扱いや、人間の道具化・手段化に対する懸念をもたらさな
いような適切な歯止めが必要であるとともに、ゲノム編集技術等には、オフタ
ーゲット及びモザイクの発生、個体発生への影響のみならず後の世代にまで及
ぶ遺伝的な影響等の未だ懸念される課題もあるという現状認識に立ち、ゲノム
編集技術のような最先端技術のヒト受精胚への応用に当たっても生命倫理の
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ヒト受精胚の研究目的での作成・利用は、ヒト受精胚を損なう取扱いを前提としてお
り、認められないが、基本原則における例外の条件を満たす場合も考えられ、この場合
には容認し得る。
その場合においても、ヒト受精胚は、体外にあって胎盤を形成しない限り、発生の過
程が進んでも「胚」として扱われるため、研究目的の作成・利用については、その取扱
いの期間を限定する必要がある。
ヒト受精胚は、原始線条を形成して臓器分化を開始する前までは、ヒト受精胚の細胞
(胚性細胞)が多分化性を有していることから、ヒト個体としての発育を開始する段階
に至っていないと考えることができるが、原始線条を形成して臓器分化を開始してから
は、ヒト個体としての発育を開始したものと考えることができる。これを踏まえ、研究
目的でのヒト受精胚の作成・利用においては、その取扱い期間を原始線条の形成前まで
に限定すべきである。
個々の事例の容認の可否については個別に検討する必要があるが、研究の主な目的に
対しての一般的な考察結果は次のとおりである。
ア 生殖補助医療研究目的での作成・利用
生殖補助医療研究は、これまで体外受精の成功率の向上等、生殖補助医療技術の向上
に貢献しており、今後とも、生殖補助医療技術の維持や生殖補助医療の安全性確保に必
要と考えられる。こうした研究成果に今後も期待することには、十分科学的に合理性が
あるとともに、社会的にも妥当性がある。このため、生殖補助医療研究のためのヒト受
精胚の作成・利用は容認し得る。
イ 先天性の難病に関する研究目的での作成・利用
現時点では、この分野の研究においてヒト受精胚の作成・利用を伴う研究を行う具体
的必要性が確認できなかったが、容認する余地はあり、先天性の難病に関する研究が今
後進展することを期待し、将来、必要性が生じた時点で改めて検討することとする。
○ 生命倫理専門調査会及び「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等
に係るタスク・フォース(以下、
「タスク・フォース」という。)においては、
近年技術革新が著しいゲノム編集技術等のヒト受精胚への適用について、こ
の「基本的考え方」に示された認識を起点とし、過去の議論の上に立って、こ
の要件を満たす研究目的の見直しも含め議論を重ねてきた。
すなわち、ゲノム編集技術等における研究開発の進捗は極めて速く、病因等
に関連する遺伝子解析等の技術の進展と相まって、生殖補助医療、遺伝性難病
等の根治的療法の開発へとつながる可能性が示唆されるとともに、移植を前提
としない研究であっても、これらの治療法や疾患の研究に資する知見が得られ
る可能性を示す国際的な学術論文も発表されるようになっている。一方、ヒト
受精胚を用いる研究の実施にあたっては、「ヒトの尊厳」を守るためヒト受精
胚を特に尊重した取扱いや、人間の道具化・手段化に対する懸念をもたらさな
いような適切な歯止めが必要であるとともに、ゲノム編集技術等には、オフタ
ーゲット及びモザイクの発生、個体発生への影響のみならず後の世代にまで及
ぶ遺伝的な影響等の未だ懸念される課題もあるという現状認識に立ち、ゲノム
編集技術のような最先端技術のヒト受精胚への応用に当たっても生命倫理の
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