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【参考資料3】国際共同治験に関する基本的な考え方(薬食審査発第0928010号) (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35181.html
出典情報 創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会(第3回 9/13)《厚生労働省》
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その理由を十分検討すべきであり、必要に応じさらなる臨床試験の実施も考慮すべ
きであることから、このような場合には、総合機構における対面助言を活用するこ
とが推奨される。
国際共同治験は、全集団での結果と日本人集団での結果に一貫性が得られるよう計
画すべきであり、各地域での一貫性が担保されることで、全集団での結果を適切に
各地域に外挿することが可能となると考えられる。
したがって、症例数については、一般的に推奨できる方法は現時点で確立されてお
らず、実施地域の数、試験規模、対象疾患、全体での症例数と日本人症例数との割
合等を考慮して決定することが必要である。例えば、国際共同治験を計画する際に
全集団と日本人集団において一貫した結果が得られる可能性を考慮する方法とし
て、定量的な評価変数を用いたプラセボ対照試験を例にとると以下のような方法が
あると考えられる。
(1) 方法 1: プラセボ群と治験薬群での群間差を D、その場合の全集団での群間
差を Dall、日本人集団における群間差を DJapan とすると、DJapan/ Dall > πが成立する
ような確率が 80 %以上となるように日本人症例数を設定する。πについては、適
切な値を設定する必要があるが、一般的には 0.5 以上の値をとることが推奨され
る。この方法では、日本人症例数を最小にしようとすると、全体での症例数が増
加し、全体での症例数を最小にしようとすると日本人症例数が増加するという関
係が認められる。
(2) 方法 2: 全集団におけるプラセボ群と治験薬群での群間差を Dall、例えば 3
地域が試験に参加し、各地域でのプラセボ群と治験薬群での群間差をそれぞれ D1、
D2、D3 とすると、D1、D2、D3 が全て同様の傾向にあることを示す。例えば Dall が正
の値をとるとすると、D1、D2、D3 のいずれの値も 0 を上回る確率が 80 %以上となる
ように症例数を設定する。この方法では、各地域から均等に症例数を集積した場
合に、確率が高くなるという傾向があり、全体の症例数を変更することなく日本
人症例数を検討することが可能であるが、日本人の構成比率が小さく、症例数が
少ない場合に、地域間比較が十分に行えない場合があることに留意すべきである。

(参考)例えば、数百例程度を対象に、プラセボを対照とした 2 群での並行群間比較試験
を実施する場合、各地域での有効性が同様であると仮定すると、試験結果に基づき
科学的に適切な評価を行うためには、方法 1 においては、全体の症例数の増加を適
度に抑制しながら日本人症例数を最小としようとする場合、およそ 20 %の症例を
確保することが必要になる。また、方法 2 の場合には、全集団での検出力を 90 %
として 3 地域で実施するのであれば、日本人症例数としておよそ 15 %以上を確保
することが必要になる。
(注)個々のケースにおける具体的な目標症例数の設定については、総合機構と相談す
ることが可能である。

7. 国際共同治験においては、諸外国では確立されているが、我が国ではまだ確立されて
いないような指標であっても、主要評価項目とせざるを得ない場合もあるが、このよ
うな場合でもその指標は受け入れ可能か?
そのような場合が想定されるのであれば、できる限り早期に国内でパイロット試験等を実
施し、海外臨床試験結果と同様の反応が得られるかどうか確認しておく必要があると考えら
れる。また、国際共同治験実施前には、予め統一的な評価方法に関する研修プログラムを作
成し、実施するなど、評価者間、施設間、各地域間での差を最小限にする工夫が必要である。

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