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プレスリリース ヒトiPS細胞から作製した心筋球移植による心臓再生に成功 (3 ページ)

公開元URL https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/topics/2024/04/26186522.php
出典情報 ヒトiPS細胞から作製した心筋球移植による心臓再生に成功-移植後の不整脈を抑えた細胞移植治療が可能に(4/26)《信州大学ほか》
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図1

臨床用ヒト iPS 細胞から作製した心筋細胞のプロファイル
A.

純化精製前後の心筋含有率(トロポニン T 陽性細胞率)
:純化精製後の心筋含有率は 99%以
上でした。

B.

純化精製後の心筋細胞の活動電位波形:純化精製後の心筋細胞は心室筋タイプの活動電位波
形を示しました。

C.

βアドレナリン受容体アゴニストであるイソプレテレノールに対する反応:純化精製後の心
筋細胞は低濃度から応答し、濃度依存的に心拍数が増加することを確認しました。

D.

純化精製後の心筋細胞における免疫染色データ:純化精製後の心筋細胞はほとんどの細胞が
α-アクチニン陽性、ビメンチン陰性の心筋細胞であり、それらの多くは心室筋マーカーであ
る MLC2V を発現していました。

(2)心筋球を心筋梗塞のカニクイザル心臓に移植し、長期生着および成熟化を確認しました。
10 匹のカニクイザルを用意し、生理食塩水投与群と 6×107 個の上述の心筋細胞を含む心筋

の 2 群に無作為に割り付け、免疫抑制剤投与下で移植を行いました。まず、心筋球を細胞生

産場所である慶應大から 230km 離れた動物施設(株式会社イナリサーチ)まで 4℃下で約 4
時間かけて輸送したところ、生存率が保たれていることを確認しました。輸送した心筋球を

心筋梗塞のカニクイザルの心臓に移植し、12 週間後に組織学的解析を行ったところ、移植細
胞は瘢痕、境界域、それ以外の領域に存在していました。ほとんどの移植心筋細胞は成熟マ
ーカーである cTnI を発現していましたが、宿主の心筋細胞とは異なり、その一部はまだ ssTnI

を発現しており、移植心筋細胞が完全には成熟していないことを示していました。また、移
植細胞はすべて cTnT 陽性でしたが、ほとんどの心筋細胞は MLC2V 陽性の成熟心室サブタ

イプでした。さらに、移植心筋細胞はコネキシン 43 とカドヘリンを豊富に発現しており、宿

主由来の微小な血管が入り込んでいることを確認しました。