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プレスリリース ヒトiPS細胞から作製した心筋球移植による心臓再生に成功 (4 ページ)

公開元URL https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/topics/2024/04/26186522.php
出典情報 ヒトiPS細胞から作製した心筋球移植による心臓再生に成功-移植後の不整脈を抑えた細胞移植治療が可能に(4/26)《信州大学ほか》
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図2

ヒト iPS 細胞から作製した心筋球の搬送と移植後の生着

心筋球を細胞生産場所である慶應大から 230km 離れた動物施設まで 4℃下で約 4 時間かけて輸送した
ところ、生存率が保たれていることを確認しました。輸送した心筋球を心筋梗塞のカニクイザルの心
臓に移植し、12 週間後に組織学的解析を行うことにより、移植心筋細胞の長期生着および移植後の成
熟化を確認しました。

(3)心筋球移植後の不整脈の発生頻度は極めて少なく、傷害心臓の機能を回復させました。
心機能を評価するために、CT と心エコー検査を行ったところ、左室駆出率は移植後 4 週間お

よび 12 週間において、生理食塩水を投与した群よりも有意に高いことを確認しました。ま
た、移植後の不整脈の発生頻度をホルター心電図検査により経時的に観察したところ、心筋
球を投与した群において、2 頭のみ短時間かつ一過性に持続性 VT を認めましたが、14 日目
以降は持続性 VT は観察されませんでした。VT の発生率が最も高かった個体においても、VT

の最長持続時間は 1 日のわずか 3.2%であり、従来の報告と比較して極めて少ないことがわ
かりました。

図3
A

心筋球移植後の心機能および心室頻拍発生頻度

µCT による心機能評価:心筋球移植群において心機能が有意に改善することを確認しました。

B ホルター心電図による不整脈発生頻度の評価:心筋球を投与した群では、2 頭のみ短時間かつ一
過性に持続性心室頻拍(VT)を認めましたが、14 日目以降は持続性 VT は観察されませんでした。