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高度遠隔医療ネットワークの実用化研究プロジェクト 8K腹腔鏡手術システムによる映像を伝送し遠隔で手術指導を行う臨床試験を世界に先駆けて開始 (6 ページ)

公開元URL https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2024/0507_1/index.html
出典情報 8K腹腔鏡手術システムによる映像を伝送し遠隔で手術指導を行う臨床試験を世界に先駆けて開始(5/7)《国立がん研究センター、NHK財団》
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手術サイト
(東京・がん研究センター中央病院)

遠隔手術指導サイト
(大阪・ソフト産業プラザ:
TEQS)

ルータ

通信回線
(有線/L5G)

8K
エンコーダ

映像
処理

ルータ

アノテー
ション

8Kカメラ
腹腔鏡

8K モニタ

8Kモニタ

8K デコー


アノテー
ション
光ファイバ

オーディオ
サーバ

ビデオ

指導医

BT

オーディオ
・データ

執刀医

図 5 臨床試験で用いるシステム構成
これまでの成果
前回プロジェクトでは、先行研究(2016~2018 年度)の課題であった視野展開の困難さの克服
(主としてカメラの軽量化)に取り組むとともに、8K 映像を遠隔指導に必要十分な低遅延伝送でき
るシステムを構築し、実証実験で医学的有用性を確認しました。
実証実験では、一般財団法人 NHK 財団と池上通信機株式会社が共同開発した小型 8K 内視
鏡カメラを用いた腹腔鏡手術システムを使い、手術室を想定した実験サイト(千葉県)で実施され
る動物の直腸切除術の生映像を光ファイバ、5G 等のブロードバンドを使って遠隔地(京都府の京
阪奈オープンイノベーションセンター)に低遅延でライブ配信するとともに、外科医 3 名での手術に
対し遠隔支援がある場合とない場合での内視鏡手術技術の改善度を評価しました。
その結果


8K 内視鏡映像に遠隔支援を加えることで、外科医の内視鏡技術が向上し、手術時間が短縮
することを確認しました。



8K 内視鏡遠隔手術支援システムの映像伝送では、映像伝送レート 80Mbps、遅延時間約
600 ミリ秒で伝送できることを確認し、医療従事者による別の評価実験で得られた同システ
ムに必要な映像伝送レート 80Mbps 以上、許容映像遅延時間 1.3 秒以下という基準を満足
することが確認されました。

<内視鏡カメラの開発履歴>
2015 年には放送用小型 8K カメラと 4K 内視鏡を用いて、ブタの腹腔内映像の撮影に成功し
ました(図6左)。
2016~2014 年度には同じ撮像素子を用いて第1世代の腹腔鏡用 8K カメラを開発し、臨床試
験により 8K 腹腔鏡手術システムの有効性を確認しました(図 6 中央)。一方でカメラおよびカメラ
を支えるアームの重量と大きさが原因で術野展開が困難な場面が一部にあるという課題が残りま
した。
この結果を踏まえてカメラの小型化を進め、2020 年に第 2 世代の腹腔鏡用8K 解像度カメラを

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