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血液バイオマーカーを用いて、超早期段階での脳アミロイドPET検査結果の予測を実現-アルツハイマー病の早期診断と治療に光- (4 ページ)

公開元URL https://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/PR/2024/release_20240523.pdf
出典情報 血液バイオマーカーを用いて、超早期段階での脳アミロイドPET検査結果の予測を実現-アルツハイマー病の早期診断と治療に光-(5/23)《東京大学》
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次に、各バイオマーカーに、年齢、性別、APOE 遺伝子型などの臨床情報を組み合わせてモデ
ル化することにより、PET 結果の予測能が改善することを示しました(図 2)。J-TRC 全体では
p-tau217/Aβ42 比と臨床情報(CI)の組み合わせモデルで AUC=0.936、認知機能正常群では ptau217 と Aβ42/Aβ40 比と臨床情報(CI)を組み合わせたモデルで AUC=0.948、MCI 相当群では
p-tau217/Aβ42 と臨床情報(CI)の組み合わせたモデルで AUC=0.955 と、極めて高い性能が得ら
れました。この結果は BioFINDER コホートでも再現されました(図 2C, E)。
本研究の結果から、Aβ と p-tau217 血液バイオマーカーを組み合わせることにより、AD の超
早期段階における脳 Aβ 蓄積の存在を高い精度で予測できることが分かりました。この成果に
基づき、今後、簡便な臨床的評価と血液バイオマーカーの検査を組み合わせることによって、
従来よりも効率的にプレクリニカル期 AD やプロドローマル AD の診断が可能となることを実証
し、血液バイオマーカーの実用化と、抗 Aβ薬などを用いた AD の早期の予防・治療のさらなる
実用に繋げてゆく見込みです。

発表者・研究者等情報
東京大学大学院医学系研究科
新美 芳樹 特任准教授(兼:医学部附属病院早期・探索開発推進室)
神経病理学分野
岩坪 威 教授(兼:医学部附属病院早期・探索開発推進室)

論文情報
雑誌名:Alzheimer's Research & Therapy
題 名:Combining plasma Aβ and p-tau217 improves detection of brain amyloid in nondemented elderly.
著者名:Yoshiki Niimi(筆頭著者), Shorena Janelidze, Kenichiro Sato, Naoki Tomita,
Tadashi Tsukamoto, Takashi Kato, Kenji Yoshiyama, Hisatomo Kowa, Atsushi Iwata,
Ryoko Ihara, Kazushi Suzuki, Kensaku Kasuga, Takeshi Ikeuchi, Kenji Ishii, Kengo
Ito, Akinori Nakamura, Michio Senda, Theresa A. Day, Samantha C. Burnham,
Leonardo Iaccarino, Michael J. Pontecorvo, Oskar Hansson, Takeshi Iwatsubo.
DOI:10.1186/s13195-024-01469-w
URL:https://doi.org/10.1186/s13195-024-01469-w

研究助成
本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の認知症研究開発事業の支援によ
る研究開発課題「認知症プレクリニカル期・プロドローマル期を対象とするトライアルレディ
コホート構築研究」
(課題番号 23dk0207048h0005 研究開発代表者:岩坪 威)により行われま
した。

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