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<政策提言>ポストSDGsの未来を見据えた看護学教育モデル・コア・カリキュラム (3 ページ)

公開元URL https://hgpi.org/research/ph-20240530.html
出典情報 ポストSDGsの未来を見据えた看護学教育モデル・コア・カリキュラム:気候変動と健康を含むプラネタリーヘルスの視点の必要性(5/30)《日本医療政策機構》
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2024 年 5 月

2. 看護教育の現状と3つの具体的な今後の検討事項
現在基準とされている 2017 年(平成 29)年「看護学教育・モデル・コア・カリキュラム」におい
ては、以下の表2の項目が環境やプラネタリーヘルスと関連する記載となっている。
■表2:現状の看護学教育における「ねらい」と「学修目標」
B-2-2) 環境と健康
ねらい:人々の暮らしを取り巻く環境について、現状や課題と健康への関連について学ぶ。
学修目標:


環境(社会・文化的環境、物理・化学・生物的環境、政治・経済的環境)について説明で
きる。



環境の現状や課題、環境と健康・生活との関連について説明できる。



健康を支援するために環境に働きかけていく必要性について説明できる。



災害が健康・生活に与える影響について説明できる。

B-3-2) 看護における倫理
ねらい:保健・医療・福祉における、倫理に関する知識と生命・人の尊厳について理解する。
学習目標:


医療・看護における倫理に関する規範・原則や指針(倫理の原則、倫理指針、看護者の倫
理綱領、ヘルシンキ宣言、ベルモントレポート、ニュルンベルク綱領、リスボン宣言、世
界人権宣言等)について説明できる。

E-3 災害時の看護実践
ねらい:災害発生に備えた心構えと看護の方法を学び、平常時から地域全体で備えるとと
もに、被災時に被災地域や被災者に必要な看護に必要な知識を学ぶ。
上記、現在の表2において、「B-2-2) 環境と健康」の項目には、プラネタリーヘルスと関連する項
目が多く盛り込まれている。これを世界中の 300 以上の大学、非政府組織、研究所、政府機関が参
加するプラネタリーヘルス・アライアンス(PHA: Planetary Health Alliance)が提案しているプラネ
タリーヘルス教育フレームワークの 5 つの領域1に照らし合わせてみると、1)自然界における相互
関係、2)人新世と健康については、カバーされていると考えられる。また、学習目標④の「健康
を支援するために環境に働きかけていく必要性について説明できる」についても、一部 3)公平性
と社会正義、4)運動構築とシステム変革に関する要素を含んでいる。
今後「環境と健康」の要素においてより強化すべきは、
「プラネタリーヘルス」の視
点に基づいて、人と地球の健康の相互関係について知識をより深く得るとともに、公
平性と社会正義の観点から看護職者・医療従事者が、人々の意識を変革する社会運動
を起こしていくための知識と方法について学ぶことである。

1

1)自然界における相互関係、2)人新世と健康、3)公平性と社会正義、4)運動構築とシステム変革、5)システム思考と複雑性
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