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07 参考資料1 おたふくかぜワクチンに関するファクトシート(平成22年7月7日版、国立感染症研究所) (15 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40826.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第26回 6/20)《厚生労働省》
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性を示している。
2004~2005 年にかけて英国でも G 遺伝子型ムンプスウイルスの流行があ
り、米国を凌ぐ 7 万5千人の患者がでていた 48)。英国は MMR ワクチン接種
により自閉症が発症するという風評によりワクチン接種率が低く、罹患者の
67%がワクチン非接種者であったため米国とは状況が異なる。しかし、ワク
チン接種者でも 15〜24 歳で罹患するという状況が見られ、その点では米国
の場合と類似している 48)。
Jeryl-Lynn 株の遺伝子型は A に、わが国のワクチン株はいずれも B に分
類される(表 5)。B 遺伝子型ワクチンにより誘導された抗体は B 遺伝子型ウ
イルスと同程度に G 遺伝子型ウイルスも中和できるが、A 遺伝子型ワクチ
ンにより誘導された抗体はG遺伝子型ウイルスに対する中和能が若干落ち
ることが報告されている 49)。ムンプスウイルスの血清型は現状では 1 つで
あるが、麻疹ウイルスで指摘されている様にワクチンの遺伝子型がその有効
性に影響している可能性は否定できない 47)。


海外おたふくかぜワクチンの輸入と問題点
Merck Sharp & Dohme 社の M-M-RTM II ワクチンは化血研が製品輸入を目
指し、承認申請を行っている(表 4)。M-M-RTM II ワクチンには安定剤として
加水分解ゼラチン(2.9%)及びヒト血清アルブミン(0.06%)が含まれている。日
本では、ゼラチンによるアナフィラキシーが 1994 年頃より問題となり、1996
年には DTaP ワクチンからゼラチンが除かれた経緯がある。現在の国内ワク
チンには、ゼラチン、加水分解ゼラチンのどちらも含まれていない。Merck
Sharp & Dohme 社は M-M-RTM II ワクチンが世界 72 ヶ国で 4 億ドース以上の
接種実績があるにもかかわらず、特に2回目の接種でアナフィラキシーの頻
度が上昇するという知見が得られていないので、ワクチン中に含まれる加水
分解ゼラチンは日本国内で問題となった高分子ゼラチンと比べて免疫原性
が低く、加水分解ゼラチンが原因でアナフィラキシーをおこす可能性は低い
としている。しかし、わ が 国 で は 1989 年 か ら 生 後 3~ 24 ヶ 月 児 に 高
分 子 ゼ ラ チ ン を 含 む DTaP ワ ク チ ン の 接 種 が 開 始 さ れ 、1996 年 に
ワ ク チ ン か ら ゼ ラ チ ン が 除 か れ る ま で の 間 に ゼ ラ チ ン 感作世代を
生み続 け た 事 情 が あ る 。 既に感作されている者に対して加水分解ゼラチ
ンがアレルギー反応を惹起しないというデータは無い。
M-M-RTM IIワクチン接種後は通常発熱を伴うと添付書類に書かれている。
米国で行われた試験では、39.0℃以上の発熱が6%に認められ50)、わが国で行
われた化血研による健康小児を対象に行ったM-M-RTM IIワクチンの臨床第
II層試験では、37.5℃以上の発熱が56.4%程度、そのうち39.0℃以上の発熱は
23.8%に認められた51)。発熱のピークは、麻疹ウイルスの潜伏期間と一致す
る接種後10日前後であることから、その原因が主にM-M-RTM IIワクチン中の
麻疹ウイルスに由来すると考えられる。一方、国産の麻疹あるいはMRワク
チン接種後の発熱は武田の添付書類によると接種後5~14日を中心に37.5℃
以上が20%程度、39.0℃以上の発熱は3%程度と記載されている。また、厚生
労働省が集計した予防接種後健康状況調査集計報告書平成19年度前期分に
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