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07 参考資料1 おたふくかぜワクチンに関するファクトシート(平成22年7月7日版、国立感染症研究所) (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40826.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第26回 6/20)《厚生労働省》
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とも言われている 4,5,6,7)。無菌性髄膜炎及びムンプス脳炎の発生頻度は女性
より男性の方が高い。妊娠3ヶ月期(第一三半期)までの妊婦が感染すると流
産の危険率が高くなるが、胎児への催奇形性は報告されていない。


不顕性感染
各症状(表 1)は必発症状ではなく、無菌性髄膜炎 (1~10%)、睾丸炎、膵炎
などを主徴とする場合もある。2 歳以下の顕性感染の場合、約 20%は発熱が
なく、耳下腺等の腫脹のみで経過する。全年齢を平均化した不顕性感染率
は約 30%であるが、乳児に多く、年齢と共に不顕性感染率が低下し、腫脹期
間が長くなる傾向がある 1)。不顕性感染例も唾液中にウイルスを排泄してお
り感染源になる 8)。



鑑別を要する他の疾患
おたふくかぜ流行時に片側もしくは両側の耳下腺腫脹を呈するような典
型例の場合には、臨床診断が容易であるが、非流行時の急性耳下腺腫脹で
は反復性耳下腺炎、急性化膿性耳下腺炎、頸部リンパ節炎、唾石症、また
は、コクサッキーウイルス、パラインフルエンザウイルス1型、3 型、EB
ウイルス(伝染性単核症)などの感染による場合もあり、診断は容易ではない。
また、耳下腺腫脹を伴わない無菌性髄膜炎、睾丸炎、卵巣炎、甲状腺炎、
腎炎、感音性難聴などの病因として周囲の流行状況からムンプスウイルス
感染が疑われる場合もある 8)。

④ 検査法
(ア)血清学的検査法
表 2. ムンプスウイルス血清学的検査法
診断方法
機 材
手 技
補体結合(CF)試験
補体
やや煩雑
感作赤血球
赤血球凝集抑制(HI)試験 ムンプスウイルス
容易
モルモット赤血球
ウイルス中和(NT)試験
ムンプスウイルス
煩雑
培養細胞
ELISA 試験
市販キット
容易
読取り装置

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感 度
低い
やや低い
高い
高い

補体結合(CF)試験法、赤血球凝集抑制(HI)試験法、ウイルス中和試験
(NT)法、酵素抗体(ELISA)法等の方法があり、それぞれ長所短所を持つ(表
2)。ウイルス中和試験(NT)法は、感度、特異性ともに最も優れた方法であ
る9)。しかし、細胞培養を必要とし、煩雑で時間を要することから、大量
に検査する場合には有用ではない。過去の感染歴を判断する上では、血
清抗体価がHI法で8倍以上、CF、NT法で4倍以上であればムンプスウイル
スの感染既往があると判断できる。ただし、これらの方法で抗体陰性で

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