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【参考資料4】救急救命処置に関する提案への評価結果 提言書2 (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41901.html
出典情報 救急医療の現場における医療関係職種の在り方 に関する検討会ワーキンググループ(第6回 7/29)《厚生労働省》
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3. 提案と評価の詳細
(1) 提案内容の詳細
本件は、アナフィラキシーを発症した傷病者に対し、救急救命士によるアドレナリン
の筋肉内投与を提案するものである。
現行においても、医師からエピペン®(アドレナリンの自己注射薬)の処方を受けた
患者が、アナフィラキシーに陥り、自身でエピペン®を使用できない場合には、救急救
命士は、傷病者のエピペン®を用いてアドレナリンを投与することができる。本提案は、
傷病者が発症時に処方されたエピペン®を持っていない、さらには処方をうけていな
い場合にまで、アドレナリン投与の対象を広げる提案である。
※エピペン®とは、アナフィラキシーの進行を防ぐためのアドレナリン自己注射薬であり、アナ
フィラキシーを発症する可能性のある傷病者に対して、傷病者等が自ら使用することを前提に
医師が使用法を説明した上で処方するものである。

アドレナリンの投与方法としては、次の2つが提案されている。
◯投与方法1

(提案者1の方法)

救急車内等に予め用意したエピペン®を使用し、筋肉内投与する方法
◯投与方法2 (提案者2の方法)
心肺停止の傷病者に対して使用するアドレナリンのプレフィルドシリンジを活用
し、それに注射針を装着するなどして、筋肉内投与する方法
(エピペン®に比べ安価などの利点がある。)
(2) 新たな処置によって期待される効果
World Allergy Organization Guidelines for the Assessment and Management of
Anaphylaxis(アナフィラキシーの評価および管理に関する世界アレルギー機構ガ
イドライン)においては、迅速なアドレナリン投与がアナフィラキシー治療の第一選
択とされている(文献i)。日本でも、より迅速な投与のためアナフィラキシーの可能
性のある傷病者に対してエピペンの処方が進められているが、医療機関へ搬送さ
れアナフィラキシーと診断された者のうち、病院前においてアドレナリンの投与が
行われる者は少数にとどまっている(表1)。
エピペンによってアドレナリンを投与された事例では、80%以上で症状の改善が
報告(文献ii)されており、エピペン®を持っていない、あるいは処方をうけていない
傷病者にまで救急救命士の処置の対象とすることによって、より多くのアナフィラ
キシー傷病者の症状の悪化を防止し致死的状況を回避することが期待できる。
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