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資料6 先進医療Bの総括報告に対する評価表(告示番号旧27/jRCTs031180038) (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43105.html
出典情報 先進医療会議 先進医療技術審査部会(第165回 9/12)《厚生労働省》
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主担当: 上村(尚)構成員
有効性

A.従来の医療技術を用いるよりも、大幅に有効であ
る。
B.従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である。
C.従来の医療技術を用いるのと、同程度である。
D.従来の医療技術を用いるよりも、劣る。
E.その他

コメント欄:試験の計画段階において、化合物の特性、特に高い蛋白結合率から、
提案されている臨床用量では、in vivo での薬効に必要な暴露量には到達しないリ
スクが懸念されていたが、本試験では末梢血単核球表面 TRPV2 発現量が低下して
いた。そのことから、少なくとも期待している薬効薬理学的メカニズムを介した標
的の捕捉(target engagement)はあったと思われる。すなわち、本試験では少な
くとも tranilast が TRPV2 を介して薬効を示す可能性の高い用量で実行されたと
考えられた。このことは、臨床上の意思決定にとって極めて重要なポイントであろ
う。
有効性については BNP の変化量を用いて評価されたが、主たる解析では事前に設
定した基準を満たすことができず、バイオマーカーを基にした有効性を確認でき
なかった。Per Protocol 解析では、有意差があったが、Per Protocol 解析の結果
をもって有効性があったとする解釈には大きな限界があると思う。少なくとも、現
時点で tranilast が BNP を改善するというエビデンスは得られなかった。もとも
と設定されていた閾値は、BNP の自然経過での変化率の点推定である。もしも、自
然経過との間の有意差をいうのであれば、その信頼区間の下限との間で、p 値を計
算すべきであって、本試験は、ゆるめの基準でデザインされた探索的臨床試験であ
ったと理解している。仮に BNP で効果があったとしても、その効果のサイズは限
定的なものあり、先行研究で言われている BNP の変化と比較しても著明な差では
でないだろう。
評 価 に つい て だ が 、従 来 の 医療 技術 と の比 較 と いう 視点 で は、 本 試 験で は
tranilast の有効性は主たる解析では明らかにはならなかった。しかしながら、試
験自体が非盲検単群のデザインであること、また、あくまでのバイオマーカーでの
評価であり、試験そのものに大きな限界があることから、有効性の評価は“その
他”とした。

安全性

A.問題なし。(ほとんど副作用、合併症なし)
B.あまり問題なし。(軽い副作用、合併症あり)