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議題3 別紙4 先進医療の保険導入等の検討について (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44034.html
出典情報 先進医療会議(第136回 10/3)《厚生労働省》
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別紙4-2

先進医療会議での指摘事項に対する回答
先進医療の保険導入に係わる検討における指摘事項及びそれに対する対応について
先進医療技術名:家族性アルツハイマー病の遺伝子診断
2024 年 9 月 21 日
順天堂大学

認知症疾患医療センター本井

ゆみ子

指摘事項
・先進医療として開始されてから 15 年以上が経過しているものの、あまり普及してお
らず、エビデンスが不十分である。
・家族性のアルツハイマー病早期診断は、症例数は多くないものの、科学的意義は十
分あると考える。

現在、当院(順天堂大学医学部付属病院)および埼玉医科大学付属病院で先進医療と
して家族性アルツハイマー病の遺伝子診断を行っています。当院では、2016 年 10 月か
ら 2024 年 8 月までに、家族歴のある軽度認知機能障害(MCI)から早期のアルツハイマ
ー病が疑われる患者計 71 例に本検査を行いました。陽性例は、病的意義不明の変異を
有する例が 1 例のみでした。陰性例が多い理由としては、60 代以上の高齢患者が多く
登録されたため、家族性アルツハイマー病の有病率が低い集団となっていたと考えら
れます。将来的には、遺伝子変異陽性例 50 名程度を集積し、病原性が確定されている
変異を有する割合や変異部位等の詳細な情報を確認し、早期の診断、治療につながる
ことが期待されます。そのため、過去の論文等の情報をもとに、65 歳未満発症の常染
色体優性遺伝が認められるアルツハイマー病症例を 3000 例程度の登録することが必要
と考えています。今後、症例登録促進のため、関連学会等にも相談しながら、参加施
設を増やしていく方針です。
昨年、抗アミロイド抗体治療のレカネマブが保険適用となり、抗アミロイド抗体治
療が広く普及し一般病院でも使用可能となりました。そこで本先進医療技術の意義は
大きく増したと考えます。遺伝子変異が認められても、病的意義が不明な場合もある
ため、遺伝子変異陽性の患者にもアミロイド PET や髄液検査でアミロイド蓄積の有無
を確かめることがレカネマブ投与前に必要ではありますが、レカネマブの適応症は軽
度認知機能障害(MCI)または軽度のアルツハイマー型認知症であり、遺伝子検査陽性
例には、早期の段階で検査や治療が確実に行えると思います。
また、当院では未発症の方の遺伝子検査は行われていないため、現在のところ遺伝

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