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議題3 別紙4 先進医療の保険導入等の検討について (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44034.html
出典情報 先進医療会議(第136回 10/3)《厚生労働省》
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別紙4-3

先進医療会議での指摘事項に対する回答
先進医療の保険導入に係る検討における指摘事項及びそれに対する対応について
先進医療技術名:粒子線治療(陽子線治療,重粒子線治療)
2024 年 9 月 23 日
日本放射線腫瘍学会・理事長
千葉大学・医学部・画像診断放射線腫瘍学・宇野 隆
日本放射線腫瘍学会・粒子線治療委員会・委員長
筑波大学・医学医療系・放射線腫瘍学・櫻井英幸
指摘事項
幅広い病期に対して実施されているが,患者背景等を踏まえた詳細な解析がなく,既存
治療との成績の比較が困難である.引き続き症例集積の継続とデータの詳細な解析を行
い,適応症ごとに保険導入の可否判断に資するエビデンスを構築すること.食道がんに
ついては、別途前向きに臨床試験を実施してはどうか.
現在実施中の粒子線治療については,2024 年 6 月から,陽子線では 9 疾患,重粒子線で
は 11 疾患で先進医療を終了し保険収載されております.2024 年 6 月の診療報酬改定を受け
日本放射線腫瘍学会(以下学会)は,先進医療 A として実施する疾患について,陽子線では
適応症を 6 領域 16 疾患に,重粒子線では 5 領域 8 疾患に整理し,学会のホームページに掲
載するとともに,実施施設への周知を行いました.
2016 年から開始した,粒子線治療の全例登録は,前向き観察研究として,次ページのよ
うな研究体制を維持しております.先進医療 A における治療の適否は,規定されたキャンサ
ーボードを経て検討され,粒子線治療は学会が定めた統一治療方針,統一説明文書に準拠し
ております.患者データは前向きに登録され,研究事務局の臨床試験および統計学の専門家
が配置され,モニタリング等の品質保証を実施したものとなっております.
2026 年の保険導入の可否判断に資するエビデンスを構築するため,引き続き学会内に臓
器別ワーキンググループを置き,標準治療である X 線による放射線治療との比較を患者背
景等と踏まえて解析し提出する予定です.構成員からご指摘のあった通り,有効性だけでな
く有害事象の低減等についても可能な限り解析結果を提示したいと考えています.特に食
道癌と局所進行肺癌については,安全性を評価項目として,別途前向きに研究を実施します.
また,以前より報告しておりますように,脳腫瘍,縦隔腫瘍などの稀少疾患および有害事
象の低減が期待できる局所進行肺癌,食道癌に関しては,モデルベースドアプローチを用い
て研究を進めており,その結果をお示しする予定です.これは欧州で実際に粒子線治療の適
応判断に用いられている手法であり,個々の患者で X 線ならびに粒子線の線量分布から有
害事象等の確率を予測することで,患者個別に有用性の比較を可能とする方法です.具体的
には,実際に治療に用いられた陽子線治療の線量分布を評価し,胸部各臓器の照射線量を算
出するとともに,比較対象として同一症例において同じ標的体積を用いた X 線治療による
線量分布を作成します.評価項目は毒性,2 次発がんのリスクとし,それぞれ数学的モデル
を用いてリスクを比較,評価いたします.

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