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感染症週報 2025年第9週(2月24日-3月2日) (12 ページ)
出典
公開元URL | https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2025.html |
出典情報 | 感染症週報 2025年第9週(2月24日-3月2日)(3/14)《国立感染症研究所》 |
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Infectious Diseases Weekly Report Japan
2025年 第9週
(2月24日〜 3月2日)
:通巻第27巻 第9号
おわりに
2025年のRSウイルス感染症の定点当たり報告数は、第1~9週において継続して増加してお
り、第9週の報告数は2020年以降、最も高い水準にあった。定点当たり報告数が大きく増加し
た2021年以降、報告されたRSウイルス感染症症例の年齢分布および定点当たり報告数のピー
クに変化が見られており、引き続き発生動向を注視する必要がある。本疾患の発生動向調査は
小児科定点医療機関のみからの報告であることから、成人における本疾患の動向の評価は困難
であることに留意されたい。また、2025年4月7日から急性呼吸器感染症(ARI)が感染症法上
の5類感染症に位置づけられ、ARIサーベイランスが開始される。これに伴い、定点医療機関数
が減少するため、評価には注意が必要である。
RSウイルス感染症においては、家族内にハイリスク者(乳幼児や慢性呼吸器疾患等の基礎疾
患を有する高齢者)が存在する場合、罹患により重症となる可能性があるため、飛沫感染や接
触感染に対する適切な感染予防策を講じることが重要である。飛沫感染対策としてマスク着用
(乳幼児以外)を含む咳エチケット、接触感染対策として手洗いや手指衛生といった基本的な対
策を徹底することが求められる。また、2023年以降に乳幼児、高齢者および妊婦を対象に承認
された新たなRSVに対する予防手段の活用が推奨される。
RSウイルス感染症の感染症発生動向調査に関する詳細な情報と最新の状況については、以
下を参照いただきたい:
●感染症発生動向調査週報(IDWR)過去10年間との比較グラフ
https://www.niid.go.jp/niid/ja/10/weeklygraph.html
●IDWR 2024年第15号 注目すべき感染症 RSウイルス感染症
https://www.niid.go.jp/niid/ja/rs-virus-m/rs-virus-idwrc/12658-idwrc-2415.html
●IDWR 2023年第28号 注目すべき感染症 ヘルパンギーナ・RSウイルス感染症
https://www.niid.go.jp/niid/ja/herpangina-m/herpangina-idwrc/11850-idwrc-2328.html
●感染症発生動向調査からみる2018年〜2021年の我が国のRSウイルス感染症の状況
https://www.niid.go.jp/niid/ja/rs-virus-m/rs-virus-idwrs.html
●IASR RSウイルス感染症 2018〜2021年
https://www.niid.go.jp/niid/ja/rs-virus-m/rs-virus-iasrtpc/11081-506t.html
●厚生労働省「RSウイルス感染症」に注意しましょう。
https://www.mhlw.go.jp/content/001121510.pdf
●厚生労働省 RSウイルス感染症Q&A
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/rs_qa.html
国立感染症研究所 感染症疫学センター
Ministry of Health, Labour and Welfare / National Institute of Infectious Diseases
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2025年 第9週
(2月24日〜 3月2日)
:通巻第27巻 第9号
おわりに
2025年のRSウイルス感染症の定点当たり報告数は、第1~9週において継続して増加してお
り、第9週の報告数は2020年以降、最も高い水準にあった。定点当たり報告数が大きく増加し
た2021年以降、報告されたRSウイルス感染症症例の年齢分布および定点当たり報告数のピー
クに変化が見られており、引き続き発生動向を注視する必要がある。本疾患の発生動向調査は
小児科定点医療機関のみからの報告であることから、成人における本疾患の動向の評価は困難
であることに留意されたい。また、2025年4月7日から急性呼吸器感染症(ARI)が感染症法上
の5類感染症に位置づけられ、ARIサーベイランスが開始される。これに伴い、定点医療機関数
が減少するため、評価には注意が必要である。
RSウイルス感染症においては、家族内にハイリスク者(乳幼児や慢性呼吸器疾患等の基礎疾
患を有する高齢者)が存在する場合、罹患により重症となる可能性があるため、飛沫感染や接
触感染に対する適切な感染予防策を講じることが重要である。飛沫感染対策としてマスク着用
(乳幼児以外)を含む咳エチケット、接触感染対策として手洗いや手指衛生といった基本的な対
策を徹底することが求められる。また、2023年以降に乳幼児、高齢者および妊婦を対象に承認
された新たなRSVに対する予防手段の活用が推奨される。
RSウイルス感染症の感染症発生動向調査に関する詳細な情報と最新の状況については、以
下を参照いただきたい:
●感染症発生動向調査週報(IDWR)過去10年間との比較グラフ
https://www.niid.go.jp/niid/ja/10/weeklygraph.html
●IDWR 2024年第15号 注目すべき感染症 RSウイルス感染症
https://www.niid.go.jp/niid/ja/rs-virus-m/rs-virus-idwrc/12658-idwrc-2415.html
●IDWR 2023年第28号 注目すべき感染症 ヘルパンギーナ・RSウイルス感染症
https://www.niid.go.jp/niid/ja/herpangina-m/herpangina-idwrc/11850-idwrc-2328.html
●感染症発生動向調査からみる2018年〜2021年の我が国のRSウイルス感染症の状況
https://www.niid.go.jp/niid/ja/rs-virus-m/rs-virus-idwrs.html
●IASR RSウイルス感染症 2018〜2021年
https://www.niid.go.jp/niid/ja/rs-virus-m/rs-virus-iasrtpc/11081-506t.html
●厚生労働省「RSウイルス感染症」に注意しましょう。
https://www.mhlw.go.jp/content/001121510.pdf
●厚生労働省 RSウイルス感染症Q&A
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/rs_qa.html
国立感染症研究所 感染症疫学センター
Ministry of Health, Labour and Welfare / National Institute of Infectious Diseases
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