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資料3-2-② 鈴木先生提出資料 (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00348.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第82回 4/27)《厚生労働省》 |
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2021 年度新型コロナウイルス感染症に対する血清疫学調査報告
2022 年 4 月 27 日
厚生労働省
国立感染症研究所
【背景・目的】
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)においては、無
症状病原体保有者の存在などから全ての感染者が診断されないため、これまでに診断された症例の累
積報告数よりも実際の累積感染者数が多い可能性が指摘されている。また、2021 年 2 月以降、我が国
においても新型コロナワクチンの接種が開始され広く普及しているが、一般人口においてワクチン接種に
より誘導された抗体の保有状況は調査されていない。そこで、厚生労働省と国立感染症研究所では、我
が国における新型コロナウイルス感染症の疾病負荷の把握と新型コロナワクチン接種で誘導された抗体
の保有状況を検討することを目的として、5 都府県をおいて大規模な血清疫学調査を実施している。ワク
チン接種が開始される以前の 2020 年 6 月および 2020 年 12 月に実施された第 1 回・第 2 回の血清疫
学調査では、いずれの都府県においても極めて低い抗体保有割合に留まり、これらの調査時点では、諸
外国と比較して我が国においては新型コロナウイルス感染症の疾病負荷が低いことが示唆された 1-3。本
報告書では、2021 年 12 月および 2022 年 2 月に実施された第 3 回・第 4 回の血清疫学調査の結果を
示す。
【方法】
調査対象者
住民基本台帳を元に宮城県、東京都、愛知県、大阪府、福岡県の住民を対象として、性別、年齢分布が
人口分布を反映する様に無作為抽出された 20 歳以上の成人を対象とした。対象は、参加率 40%として
想定し、各都道府県 3,000 名の参加者を目指して参加協力の案内を郵送し、研究参加に同意をした人
を対象とした。参加協力者は各世帯 1 名、1 回のみ参加可能とした。
血清学的検査
研究参加に同意した調査対象者は指定された採血会場に来場し、自記式質問紙への回答と採血を実
施された。第 3 回調査と第 4 回調査では、異なる者が調査対象となっており、いずれの対象者も1回の
み質問紙への回答と採血を行った。採血会場で採取された血清検体を用いて、新型コロナウイルスに対
する抗体を測定した。抗ヌクレオカプシド(N)抗体および抗スパイク(S)抗体の測定はロシュ・ダイアグノス
ティックス社 Elecsys® Anti-SARS-CoV-2、および Elecsys® Anti-SARS-CoV-2 S を用いて実施した。陽
性判定については、メーカーの規定したカットオフ値(抗 N 抗体カットオフインデックス(COI)≥ 1.0;抗 S
抗体≥0.8 U/mL)に従った。なお、現在、国内で使用されているワクチン(mRNA ワクチンおよびウイルス
ベクターワクチン)は、いずれもスパイク(S)抗原をコードする配列以外のウイルスゲノム配列を有していな
いことから、抗 S 抗体は、ウイルス感染とワクチン接種により誘導され、抗 N 抗体はウイルス感染のみで
誘導される。よって、既感染者は抗 N 抗体の有無で検出することができる。
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2022 年 4 月 27 日
厚生労働省
国立感染症研究所
【背景・目的】
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)においては、無
症状病原体保有者の存在などから全ての感染者が診断されないため、これまでに診断された症例の累
積報告数よりも実際の累積感染者数が多い可能性が指摘されている。また、2021 年 2 月以降、我が国
においても新型コロナワクチンの接種が開始され広く普及しているが、一般人口においてワクチン接種に
より誘導された抗体の保有状況は調査されていない。そこで、厚生労働省と国立感染症研究所では、我
が国における新型コロナウイルス感染症の疾病負荷の把握と新型コロナワクチン接種で誘導された抗体
の保有状況を検討することを目的として、5 都府県をおいて大規模な血清疫学調査を実施している。ワク
チン接種が開始される以前の 2020 年 6 月および 2020 年 12 月に実施された第 1 回・第 2 回の血清疫
学調査では、いずれの都府県においても極めて低い抗体保有割合に留まり、これらの調査時点では、諸
外国と比較して我が国においては新型コロナウイルス感染症の疾病負荷が低いことが示唆された 1-3。本
報告書では、2021 年 12 月および 2022 年 2 月に実施された第 3 回・第 4 回の血清疫学調査の結果を
示す。
【方法】
調査対象者
住民基本台帳を元に宮城県、東京都、愛知県、大阪府、福岡県の住民を対象として、性別、年齢分布が
人口分布を反映する様に無作為抽出された 20 歳以上の成人を対象とした。対象は、参加率 40%として
想定し、各都道府県 3,000 名の参加者を目指して参加協力の案内を郵送し、研究参加に同意をした人
を対象とした。参加協力者は各世帯 1 名、1 回のみ参加可能とした。
血清学的検査
研究参加に同意した調査対象者は指定された採血会場に来場し、自記式質問紙への回答と採血を実
施された。第 3 回調査と第 4 回調査では、異なる者が調査対象となっており、いずれの対象者も1回の
み質問紙への回答と採血を行った。採血会場で採取された血清検体を用いて、新型コロナウイルスに対
する抗体を測定した。抗ヌクレオカプシド(N)抗体および抗スパイク(S)抗体の測定はロシュ・ダイアグノス
ティックス社 Elecsys® Anti-SARS-CoV-2、および Elecsys® Anti-SARS-CoV-2 S を用いて実施した。陽
性判定については、メーカーの規定したカットオフ値(抗 N 抗体カットオフインデックス(COI)≥ 1.0;抗 S
抗体≥0.8 U/mL)に従った。なお、現在、国内で使用されているワクチン(mRNA ワクチンおよびウイルス
ベクターワクチン)は、いずれもスパイク(S)抗原をコードする配列以外のウイルスゲノム配列を有していな
いことから、抗 S 抗体は、ウイルス感染とワクチン接種により誘導され、抗 N 抗体はウイルス感染のみで
誘導される。よって、既感染者は抗 N 抗体の有無で検出することができる。
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