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参考資料2-1 令和3年度厚生労働科学研究費補助金(政策科学総合研究事業臨床研究等ICT 基盤構築・人工知能実装研究事業)AI を活用した医療機器の開発・研究におけるデータ利用の実態把握と課題抽出に資する研究(21AC0701)研究班における検討結果(概要) (17 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26018.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 再生医療等評価部会 遺伝子治療等臨床研究における個人情報の取扱いの在り方に関する専門委員会(第7回 6/2)《厚生労働省》 |
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仮名加工情報の利活用;医薬品医療機器等法における信頼性調査
17
個人情報保護法に主眼をおきつつ、生命・医学系指針の関係、また医薬品医療機器等法の関係に着目し、
それらの課題を俯瞰的に抽出し、『現行制度下において可能な方策と今後解消すべき課題』を明確化
〇 医薬品医療機器等法における信頼性調査
データ利活用
被験者保護と研究の適正な推進
品質、安全性及び有効性
個人情報保護法
生命・医学系指針
医薬品医療機器等法
AI医療機器の信頼性調査の主なポイントは、試験計画に従って試験が実施されているか、実施された手順・試験結果
が確認できるか、試験に用いられた試験系・測定機器等は適切に管理されているかであり、これらは記録から確認され
る。このプロセスにおいては、企業の説明及び根拠資料に基づき、テストデータが適切に管理されているかなどの、
データの管理体制等について確認することが原則となる。従って、PMDAによる信頼性調査においては、仮名加工情
報の第三者提供や識別行為に該当する行為が原則として行われることはないと考えられる。なお、試験の実施過程で、
治験のモニタリングで実施されるような原資料との照合(SDV;Source Data Verification)までが求められるものでは
ないが、企業はデータ提供を受けるにあたり、当該データの品質を確認し、利用目的を十分果たしうるものであるか判
断することが必要である。
従って、原則論※に立脚すればAI医療機器開発においては医薬品医療機器等法上の
信頼性調査についても個人情報保護法上の問題はないであろう
※上記の前述に対し、企業が当該データの品質を確認したことをPMDAの信頼性調査時に根拠資料を基に十分説明できない場合には、原資料の確認まで行う可能性も例外的にありうる。その場合、仮名加工情報
は、法令に基づく場合又は委託、事業承継若しくは共同利用による例外の場合のみに第三者への提供が認められていることから、医薬品医療機器等法における信頼性調査が法令に基づく場合に該当しうるのか
についての事前の検討が必要となる。加えて、仮名加工情報は識別行為が禁止されていることから、原資料をカルテ情報等の個人情報とするのであれば原資料の確認には自ずと限界がある(原資料を仮名加工
情報とした場合はこの限りではない)。なお、AI医療機器開発において、意図的な複製や加工等が施されたテストデータにより性能評価試験が行われたのではないかとの懸念も場合によっては生じうるが、医療情
報の利活用では、医療機関において共同利用のデータ項目や範囲等がその目的の達成に適切であるか、利用の内容が科学的に妥当であるかといった視点からの判断が追加的になされた上で提供が行わること
となるため、企業においてデータ管理体制が適切に担保されていることが確認できれば、これらの懸念については、概ね解消するものではないかと考えられた。そのため、場合によってはデータの適切な管理体制
を評価する方策や具体的方法論も検討を産業界が自ら率先して検討することが期待される。匿名加工情報についても同様の懸念は存在する。
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個人情報保護法に主眼をおきつつ、生命・医学系指針の関係、また医薬品医療機器等法の関係に着目し、
それらの課題を俯瞰的に抽出し、『現行制度下において可能な方策と今後解消すべき課題』を明確化
〇 医薬品医療機器等法における信頼性調査
データ利活用
被験者保護と研究の適正な推進
品質、安全性及び有効性
個人情報保護法
生命・医学系指針
医薬品医療機器等法
AI医療機器の信頼性調査の主なポイントは、試験計画に従って試験が実施されているか、実施された手順・試験結果
が確認できるか、試験に用いられた試験系・測定機器等は適切に管理されているかであり、これらは記録から確認され
る。このプロセスにおいては、企業の説明及び根拠資料に基づき、テストデータが適切に管理されているかなどの、
データの管理体制等について確認することが原則となる。従って、PMDAによる信頼性調査においては、仮名加工情
報の第三者提供や識別行為に該当する行為が原則として行われることはないと考えられる。なお、試験の実施過程で、
治験のモニタリングで実施されるような原資料との照合(SDV;Source Data Verification)までが求められるものでは
ないが、企業はデータ提供を受けるにあたり、当該データの品質を確認し、利用目的を十分果たしうるものであるか判
断することが必要である。
従って、原則論※に立脚すればAI医療機器開発においては医薬品医療機器等法上の
信頼性調査についても個人情報保護法上の問題はないであろう
※上記の前述に対し、企業が当該データの品質を確認したことをPMDAの信頼性調査時に根拠資料を基に十分説明できない場合には、原資料の確認まで行う可能性も例外的にありうる。その場合、仮名加工情報
は、法令に基づく場合又は委託、事業承継若しくは共同利用による例外の場合のみに第三者への提供が認められていることから、医薬品医療機器等法における信頼性調査が法令に基づく場合に該当しうるのか
についての事前の検討が必要となる。加えて、仮名加工情報は識別行為が禁止されていることから、原資料をカルテ情報等の個人情報とするのであれば原資料の確認には自ずと限界がある(原資料を仮名加工
情報とした場合はこの限りではない)。なお、AI医療機器開発において、意図的な複製や加工等が施されたテストデータにより性能評価試験が行われたのではないかとの懸念も場合によっては生じうるが、医療情
報の利活用では、医療機関において共同利用のデータ項目や範囲等がその目的の達成に適切であるか、利用の内容が科学的に妥当であるかといった視点からの判断が追加的になされた上で提供が行わること
となるため、企業においてデータ管理体制が適切に担保されていることが確認できれば、これらの懸念については、概ね解消するものではないかと考えられた。そのため、場合によってはデータの適切な管理体制
を評価する方策や具体的方法論も検討を産業界が自ら率先して検討することが期待される。匿名加工情報についても同様の懸念は存在する。