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資料3-2-③ 鈴木先生提出資料 (15 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00348.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第87回 6/8)《厚生労働省》
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了後 90 日以内の症例数が極めて限られているため、2 回接種完了後からの経過時間をあわせたデル
タタ株流行期との比較はできていない。

16 歳て64 歳において、新型コロナワクチン 2 回接種完了税では接種完了後早期 (3 か月)であっ
ても、有効性は 35.6% (95%信頼区間: 16.2こ50.64%であったが、追加接種により 68.7% (95%信頼区間:
55.6ン77.9%)まで上昇し、65 歳以上においては、新型コロナワクチン 2 回接種完了群においては有効性
が 23.3% (95%信頼区間: -75.3て66.59であったが、追加接種により 80.5% (95%信頼区間:46.5ン92.9%)
まで上昇することを確認した。 新型コロナワクチン接種によって産生される中和抗体に関する海外の研
究では、オミクロン株に対してはワクチンの 2 回接種後と比較して 3 回接種後に抗体価が大きく上昇す
ることが示されており (8, 9)、 国内で行われた血清疫学調査でも同様の結果が示されていた (10)。 本報
告の結果は、これらの結果と一致するものであった。

英国における研究では、mRNA 新型コロナワクチン 2 回接種による有効性は、2 回接種後 2て4 週間
では 60<80%であったが、時間経過とともに低下し、2 回接種後 10<14 週では約 30%、15<24 週では
10<20%に低下していた (11)。 本報告では、16 歳64 歳において、接種後の時間経過に関わらず 2 回
接種による有効性は約 35%であったが、本報告に含まれる患者は、2022 年 1 月から 3 月に検査をうけ
たものであり、新型コロナワクチン 2 回接種後 9 週以内の患者数は限られており、接種完了後 90 日以
内の患者において有効性が時間経過とともに徐々に低下しているのかを判断することはできない。一方、
本報告では 2 回接種完了後 181 日以上経過した群においても有効性は 2 回接種完了 90 日以内と同
等であり、英国のデータと比較して、時間経過によっても有効性が保たれている可能性が考えられた。3
回目追加接種による発症予防の有効性は、英国での研究では 65<75% (11)、米国の研究では 67.3%
(95%信頼区間 :65.0-69.4%) (12)と推定されており、本報告の結果はほぼ同等であった。

16 歳64 歳において、2 回目接種完了による有効性に関して、ファイザー社製とモデルナ社製を分
けた解析では、点推定値ではモデルナ社製新型コロナワクチンの有効性がやや高いが、95%信頼区間
から判断すると両者の有効性に有意な差はなかった。一方、3 回接種完了による有効性に関しては、1、
2 回目ファイザー社製接種、3 回目モデルナ社製接種、モデルナ社製 3 回接種、ファイザー社製 3 回接
種の順番で点推定値は高かったが、95%信頼区間から判断すると有意な差はなく、加えて、モデルナ社
製を 3 回接種した症例数は極めて限られており、今後の解析対象者の集積が必要である。

なお、本報告は本サーベイランス研究の暫定データであり、2022 年 1 月 1 日から3 月 31 日において

今回の報告で集計できていない対象患者情報もあるため、今後の患者情報の蓄積と解析により変動
すると考えられる。 また、新型コロナワクチンの入院予防・重症化予防に対する有効性、Long-COVID に
対する有効性は本研究では評価ができないため、新型コロナワクチンの 新型コロナウイルス 感染症全
体に対する評価については、今後多方面からの研究が必要である。

6. 制限

本報告にはいくつかの制限がある。1 つ目は、対象患者が 2022 年1月 1 日から3月 31日の全国13
か所の医療機関に限られており、現時点ではサンプルサイズが極めて限定的である。2つ目は、現在日
本では医療機関において受診者のワクチン接種歴を自動的に確認できるシステムは整備されていない
ため、接種歴は主に患者 (または上患者家族)に対する問診で得られた記録を基にしており、思い出しバ
イアスの影響を否定できない。 正確なワクチン接種日が不明な患者については、「接種日」の推計方法

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