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資料3-2-③ 鈴木先生提出資料 (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00348.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第87回 6/8)《厚生労働省》
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2. 背景

海外諸国に続き、日本国内では 2021 年 2 月から新型コロナワクチン接種が開始され、2021 年 12 月
から 3 回目接種、2022 年 5 月末から 4 回目接種を開始している。 国内においてより適切なワクチン政
策を議論する際の科学的根拠として、国内における最新のワクチンの有効性データは必要不可欠であ
る。

2021 年 7 月 1 日から長崎大学熱帯医学研究所を中心とした研究チームは、全国の医療機関 (病院
および診療所)と協力し、これまでにインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの研究で使用されてい
る検査陰性デザイン (test-negative design : TND)を用いた症例対照研究を使って (1, 2)、新型コロナワ
クチンの有効性を経時的に評価するサーベイランス研究 (Vaccine Effectiveness Real-time
Surveillance for SARS-CoV-2 (VERSUS) study)を開始した (3 4)。 第 2 報では、2021 年 7 月 1 日から
9 月 30 日までの登録患者の情報を解析し、16 歳以上での新型コロナワクチンの包括的有効性、新型コ
ロナワクチンの種類ごとの有効性、新型コロナワクチン接種後の経過期間による有効性の違いを報告
した (5, 6)。2021 年 7 月 1 日から9 月 30 日の期間は全国的に新型コロナウイルスの 90%以上が
B.1.617.2 系統(デルタ株)であったため、同結果はデルタ株への新型コロナワクチンの有効性と考えた。
第 4 報では、新型コロナウイルスの変異株 B.1.1.529 系統 (オミクロン株)の流行が始まった 2022 年 1
月 1 日から 2 月 28 日のデータを用い、同期間における新型コロナワクチンの発症予防における有効性
が、ワクチン接種からの時間経過を加味しても、デルタ株流行期と比較して低下していることを明らかに
した 7)。

今回、2022 年 1 月 1 日から 3 月 31 日に症状があり新型コロナウイルスの検査を受けた患者情報を
使用し、65 歳以上を含む 16 歳以上において、同期間での新型コロナワクチンの発症予防における有効
性を評価したため報告する。

3. 方法

2021 年 7 月 1 日から開始しているサーベイランス研究 (VERSUS study)のうち、2022 年 1 月 1 日か
ら 3 月 31 日までに全国 10 都県 (福島県、埼玉県、東京都、神奈川県、群馬県、愛知県、奈良県、高知
県、福岡県、長崎県)、計 13 か所の病院または診療所において、新型コロナウイルス感染症が疑われ
る症状 で受診した 16 歳以上の患者を対象に、愚者基本情報、症状、新型コロナワクチン接種歴 (接
種の有無、接種回数、接種日、接種したワクチンの種類) 、新型コロナウイルス検査結果のデータを収
集した。 新型コロナウイルスの検査は、現在国内で確定診断に使用されている核酸増幅法検査 (PCR
や LAMP など)および抗原定量検査を対象とした。 新型コロナウイルス検査陽性者を症例群、除性者を
対照群とした (図 1)。発症から 15 日以降に検査を受けた患者および同一患者は定義 ?に基づいて除
外した。65 歳以上は新型コロナワクチン優先接種対象であり、接種時期やワクチン接種後の経過期間
などに交絡がある可能性を考慮して、16 歳て64 歳、65 歳以上に分けての解析を行った。