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資 料3 採取したNAT陰性の血漿の取扱いについて(資料4-1より一部抜粋) (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23740.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会 運営委員会(第4回 2/9)《厚生労働省》
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検査システム(2019 年 5 月までは CLEIA 法、その後は CLIA 法)を使用して完全に陰性
であった。また、研究的に追加実施した高感度 HBsAg 検査も、肝機能検査の軽度異常を
示した 2011 年から 2015 年までの保管検体で陰性であった。
一方、HBs 抗体の検査履歴は、2011 年から 2020 年まで 19 回の献血のうち、2015 年と
2016 年の 2 回、CLEIA 法にてわずかに陽性(12.0 と 11.4 mIU/mL)であった。感染の原
因となった当該献血では 10.7 mIU/mL、HBV NAT 陽転時の献血は 95.8 mIU/mL であっ
た。
総じて、本献血者は HBc 抗体や HBs 抗原が、現行の血清学的検査では検出できないほ
ど低いレベルの HBV 感染既往者であった可能性がある。なお、当該血液を輸血された患
者では、明瞭な HBc 抗体が検出されている。
また、当該献血者の現在の感染状況にかかる調査を行ったが、現時点では協力が得られ
ていない。
6.今後の対応
複数回献血者が献血血液の検査において病原体マーカーが陽転した場合の遡及調査は、
遡及調査ガイドラインに基づき、決められた遡及調査期間の過去の献血血液について実施
し、調査対象の献血血液から製造された輸血用血液に出庫停止等の対応をしている。その
遡及調査期間は、前述のとおり、血清学的ウインドウ期及び NAT ウインドウ期をもとに
設定されている。
また、現在の献血血液の HBV スクリーニング検査は、主として HBV NAT で新規感染
を、HBc 抗体で既往感染を検出するロジックである。
しかし、本事例の献血者は、HBc 抗体が陰性であるため、現在の献血血液の HBV スク
リーニング検査のロジックでは、急性感染の時期にあると判定され、感染既往とは判定さ
れない感染事例と考えられる。
今後、同様の事例の発生について注視し、遡及調査の仕方を変更する必要がでてくる可
能性があるが、同様の事例が発生した場合の安全対策として FFP の貯留保管を利用した
暫定的な対応を実施することとした。
FFP の貯留保管は、同時製造品の赤血球製剤や血小板製剤の使用により感染が疑われた
場合に、保管中の FFP の使用を取りやめることにより感染の拡大を防止するためのもの
である。
しかしながら今回の事例に鑑みて、献血血液のスクリーニングにおいて HBV NAT
のみ陽転した場合、遡及調査期間を超えた過去の献血のうち、貯留保管中の FFP を、輸血
用血液製剤として使用せず、分画製剤の原料血漿に転用する対応を行っている。

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