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資料1-1 ワーキンググループにおける評価報告書【No.2021-2】 (5 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29581.html |
出典情報 | 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会(第34回 12/6)《厚生労働省》 |
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力を有しておらず、十分な血栓除去が困難な場合も多い。また注射器吸引の場合、その
都度カテーテルを抜去してカテーテル内の血栓をフラッシュし、同様の手技を繰り返し
行う必要がある。さらに、非専用デバイスの応用が必要であることから施設術者におけ
る技術や経験によって治療成績も左右されると示唆されるため、現行のカテーテル治療
には限界がある。そのため、①肺血栓を吸引するために設計された吸引ルーメンを有し、
且つ、吸引ポンプを併用した INDIGO Aspiration System、及び、②60cc シリンジを用いた
血栓の吸引や自己拡張型ワイヤーフォームを用い、機械的に血栓除去を行う FlowTriever
は、血行動態を安定させるために必要な大量の血栓を迅速に除去可能な点で、既存のカ
テーテル等の血栓摘除に比べ、操作等の向上が期待される。
①INDIGO Aspiration System 及び②FlowTriever の臨床試験成績について、要望学会から
以下のとおり説明された。
① INDIGO Aspiration System について、急性肺塞栓症(以下「急性 PE」という。)の症状
を呈し、その他の登録基準を満たす患者を対象に実施された米国での前向き多施設共
同単群試験の結果が示された。主要有効性評価項目「CT 血管造影法で評価した 48 時
間後の RV/LV 比のベースライン時との比較」は、平均 RV/LV 比が 0.42±0.25 低下し
た(低下率 26.9%)。また、主要安全性評価項目「48 時間以内のデバイス関連死、大
出血、デバイス関連の重篤な有害事象(SAE:臨床的増悪、肺血管損傷、心臓損傷)」
は、主要有害事象の複合の発現率 1.7%であり、機器関連 SAE 0.8%、臨床状態の悪化
0.8%及び大出血 1.7%と低い値を示し、再発は認められず、INDIGO Aspiration System
の有効性及び安全性が示された2。
② FlowTriever についても、急性 PE の治療における有効性及び安全性評価を目的に、米
国で前向き多施設共同単群試験が実施された。用いられた機器は、吸引システムとし
てシリンジではなく Retraction Aspirator を用いるなど、要望品目と異なる点はあるが、
有効性評価項目「48 時間後における RV/LV 比のベースラインからの減少」は、ベー
スラインから 48 時間後までの RV/LV 比が 25%減少し、有意に改善することが確認さ
れた。また、安全性評価項目「主要な有害事象発生率(48 時間以内のデバイス関連の
死亡、大出血、臨床症状の悪化など)」については 3.8%であり、機器及び手技に関連
した重篤な有害事象の発生頻度は許容範囲内であることから、FlowTriever の有効性及
び安全性が示された3。また、その他の文献からも、
・ 超音波使用下でのカテーテル血栓溶解療法と INDIGO Aspiration System や FlowTriever
等を用いた血栓吸引除去術との比較で、臨床的成功率や RV/LV 比の改善率などは同等
であること4、
・ FlowTriever を用いた機械的血栓除去による治療(MT, 計 28 例)は、ルーチンケアで
の治療(RC, 計 30 例:抗凝固療法のみ 80%、抗凝固療法とカテーテル的血栓溶解療
法の併用治療 7%、全身性血栓溶解療法 13%)との比較で院内死亡率及び ICU の平均
在 院 日 数 と も に 有 意 に 低 い こ と が 示 さ れ た ( 院 内 死 亡 率 : MT: 3.6% 、 RC:
23.3%(P<0.05)、ICU 平均在院日数:MT: 2.1±1.2 日、RC: 6.1±8.6 日(P<0.05))5。
以上のことから、INDIGO Aspiration System 及び FlowTriever による血栓吸引除去は、既存
の治療法に比べ予後の改善と、既存のカテーテル的血栓摘除に比べ操作性の向上が見込
まれる。したがって、急性 PTE のうち広範型/高リスクの患者で、出血リスクの高さか
5
都度カテーテルを抜去してカテーテル内の血栓をフラッシュし、同様の手技を繰り返し
行う必要がある。さらに、非専用デバイスの応用が必要であることから施設術者におけ
る技術や経験によって治療成績も左右されると示唆されるため、現行のカテーテル治療
には限界がある。そのため、①肺血栓を吸引するために設計された吸引ルーメンを有し、
且つ、吸引ポンプを併用した INDIGO Aspiration System、及び、②60cc シリンジを用いた
血栓の吸引や自己拡張型ワイヤーフォームを用い、機械的に血栓除去を行う FlowTriever
は、血行動態を安定させるために必要な大量の血栓を迅速に除去可能な点で、既存のカ
テーテル等の血栓摘除に比べ、操作等の向上が期待される。
①INDIGO Aspiration System 及び②FlowTriever の臨床試験成績について、要望学会から
以下のとおり説明された。
① INDIGO Aspiration System について、急性肺塞栓症(以下「急性 PE」という。)の症状
を呈し、その他の登録基準を満たす患者を対象に実施された米国での前向き多施設共
同単群試験の結果が示された。主要有効性評価項目「CT 血管造影法で評価した 48 時
間後の RV/LV 比のベースライン時との比較」は、平均 RV/LV 比が 0.42±0.25 低下し
た(低下率 26.9%)。また、主要安全性評価項目「48 時間以内のデバイス関連死、大
出血、デバイス関連の重篤な有害事象(SAE:臨床的増悪、肺血管損傷、心臓損傷)」
は、主要有害事象の複合の発現率 1.7%であり、機器関連 SAE 0.8%、臨床状態の悪化
0.8%及び大出血 1.7%と低い値を示し、再発は認められず、INDIGO Aspiration System
の有効性及び安全性が示された2。
② FlowTriever についても、急性 PE の治療における有効性及び安全性評価を目的に、米
国で前向き多施設共同単群試験が実施された。用いられた機器は、吸引システムとし
てシリンジではなく Retraction Aspirator を用いるなど、要望品目と異なる点はあるが、
有効性評価項目「48 時間後における RV/LV 比のベースラインからの減少」は、ベー
スラインから 48 時間後までの RV/LV 比が 25%減少し、有意に改善することが確認さ
れた。また、安全性評価項目「主要な有害事象発生率(48 時間以内のデバイス関連の
死亡、大出血、臨床症状の悪化など)」については 3.8%であり、機器及び手技に関連
した重篤な有害事象の発生頻度は許容範囲内であることから、FlowTriever の有効性及
び安全性が示された3。また、その他の文献からも、
・ 超音波使用下でのカテーテル血栓溶解療法と INDIGO Aspiration System や FlowTriever
等を用いた血栓吸引除去術との比較で、臨床的成功率や RV/LV 比の改善率などは同等
であること4、
・ FlowTriever を用いた機械的血栓除去による治療(MT, 計 28 例)は、ルーチンケアで
の治療(RC, 計 30 例:抗凝固療法のみ 80%、抗凝固療法とカテーテル的血栓溶解療
法の併用治療 7%、全身性血栓溶解療法 13%)との比較で院内死亡率及び ICU の平均
在 院 日 数 と も に 有 意 に 低 い こ と が 示 さ れ た ( 院 内 死 亡 率 : MT: 3.6% 、 RC:
23.3%(P<0.05)、ICU 平均在院日数:MT: 2.1±1.2 日、RC: 6.1±8.6 日(P<0.05))5。
以上のことから、INDIGO Aspiration System 及び FlowTriever による血栓吸引除去は、既存
の治療法に比べ予後の改善と、既存のカテーテル的血栓摘除に比べ操作性の向上が見込
まれる。したがって、急性 PTE のうち広範型/高リスクの患者で、出血リスクの高さか
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