よむ、つかう、まなぶ。
資料4 全世代型社会保障の基本的考え方(清家座長提出資料) (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/zensedai_hosyo/dai10/gijisidai.html |
出典情報 | 全世代型社会保障構築会議(第10回 12/7)《内閣官房》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
資料4
全世代型社会保障の基本的考え方
1.目指すべき社会の将来方向
○
日本は、本格的な「少子高齢化・人口減少時代」を迎えようとしており、今はまさにその将
来のあり方を決める重要な時期にあたる。この歴史的転換期において、今後の人口動態の
変化や経済社会の変容を見据えつつ、目指すべき社会の姿を分かりやすく示すことは、極
めて重要であると考える。そこで、「全世代型社会保障」の構築を通じて目指すべき社会の
将来方向として、次の3点をあげたい。
「少子化・人口減少」の流れを変える
2013 年の社会保障制度改革国民会議報告書は、少子化対策は、社会保障の持続可能
性・経済成長を確かなものとする、「社会保障制度改革の基本」であると指摘した。これに基
づき、政府も、これまで保育の受け皿整備や幼児教育・保育の無償化など様々な対策を講
じてきてはいるものの、いまだに少子化の流れを変えるには至っていない。この流れを変え
られなければ、日本の人口は急速かつ長期にわたって減少し続けることとなる。
こうした少子化・人口減少の進行は、経済活動における供給(生産)及び需要(消費)の縮
小、社会保障機能の低下をもたらし、さらには、多くの地域社会を消滅の危機に導くなど、
経済社会を「縮小スパイラル」に突入させることになるだろう。少子化は、まさに、国の存続そ
のものにかかわる問題であると言っても過言ではない。
もとより、結婚や出産という選択は個人の自由意志に基づくものであって、決して強制され
るべきものではない。こどもを生み育てたいと考える個人の希望を叶えることは、個人の幸福
追求を支援するという意味においてこそ重要であると言える。しかし、このことは同時に、少
子化・人口減少の流れを大きく変え、危機的なトレンドから脱却することによって、経済と社
会保障の持続可能性を高め、「成長と分配の好循環」を実現する上で、社会全体にも大きな
福音となるものでもある。つまり、少子化対策は、個人の幸福追求と社会の福利向上をあわ
せて実現するという、きわめて価値の大きい社会保障政策なのである。
こうした観点から、今日、最も緊急を要する取組は、「未来への投資」として、子育て・若者
世代への支援を急速かつ強力に整備することである。少子化の背景には、子育てに関わる
直接的な費用や就業機会損失などの機会費用が増加する一方で、子育て・若者世代の雇
用・所得状況が不安定であることなどから、結婚・出産・育児に不安を感じ、ためらう男女が
増えていることがある。子育て費用を社会全体で分かち合い、こどもを生み育てたいと希望
する全ての人が、安心して子育てができる環境を整備することこそ何よりも求められている。
わたしたちの目指すべき社会の将来方向の第一は、ここにある。
これからも続く「超高齢社会」に備える
大胆な少子化対策によって人口減少の流れを変えると同時に、これからも続く超高
齢社会に備えて、社会の持続可能性を高める対応も強化していかなければならない。
1
全世代型社会保障の基本的考え方
1.目指すべき社会の将来方向
○
日本は、本格的な「少子高齢化・人口減少時代」を迎えようとしており、今はまさにその将
来のあり方を決める重要な時期にあたる。この歴史的転換期において、今後の人口動態の
変化や経済社会の変容を見据えつつ、目指すべき社会の姿を分かりやすく示すことは、極
めて重要であると考える。そこで、「全世代型社会保障」の構築を通じて目指すべき社会の
将来方向として、次の3点をあげたい。
「少子化・人口減少」の流れを変える
2013 年の社会保障制度改革国民会議報告書は、少子化対策は、社会保障の持続可能
性・経済成長を確かなものとする、「社会保障制度改革の基本」であると指摘した。これに基
づき、政府も、これまで保育の受け皿整備や幼児教育・保育の無償化など様々な対策を講
じてきてはいるものの、いまだに少子化の流れを変えるには至っていない。この流れを変え
られなければ、日本の人口は急速かつ長期にわたって減少し続けることとなる。
こうした少子化・人口減少の進行は、経済活動における供給(生産)及び需要(消費)の縮
小、社会保障機能の低下をもたらし、さらには、多くの地域社会を消滅の危機に導くなど、
経済社会を「縮小スパイラル」に突入させることになるだろう。少子化は、まさに、国の存続そ
のものにかかわる問題であると言っても過言ではない。
もとより、結婚や出産という選択は個人の自由意志に基づくものであって、決して強制され
るべきものではない。こどもを生み育てたいと考える個人の希望を叶えることは、個人の幸福
追求を支援するという意味においてこそ重要であると言える。しかし、このことは同時に、少
子化・人口減少の流れを大きく変え、危機的なトレンドから脱却することによって、経済と社
会保障の持続可能性を高め、「成長と分配の好循環」を実現する上で、社会全体にも大きな
福音となるものでもある。つまり、少子化対策は、個人の幸福追求と社会の福利向上をあわ
せて実現するという、きわめて価値の大きい社会保障政策なのである。
こうした観点から、今日、最も緊急を要する取組は、「未来への投資」として、子育て・若者
世代への支援を急速かつ強力に整備することである。少子化の背景には、子育てに関わる
直接的な費用や就業機会損失などの機会費用が増加する一方で、子育て・若者世代の雇
用・所得状況が不安定であることなどから、結婚・出産・育児に不安を感じ、ためらう男女が
増えていることがある。子育て費用を社会全体で分かち合い、こどもを生み育てたいと希望
する全ての人が、安心して子育てができる環境を整備することこそ何よりも求められている。
わたしたちの目指すべき社会の将来方向の第一は、ここにある。
これからも続く「超高齢社会」に備える
大胆な少子化対策によって人口減少の流れを変えると同時に、これからも続く超高
齢社会に備えて、社会の持続可能性を高める対応も強化していかなければならない。
1