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資料4 全世代型社会保障の基本的考え方(清家座長提出資料) (4 ページ)

公開元URL https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/zensedai_hosyo/dai10/gijisidai.html
出典情報 全世代型社会保障構築会議(第10回 12/7)《内閣官房》
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高齢者による消費を下支えするという意味では、社会全体を幸福にするものでもある。
さらに、個人と社会を共に豊かにするという観点からは、消費の中心的な担い手である
「中間層」を厚くし、「成長と分配の好循環」の実現にも寄与するという社会保障の意義を再
認識すべきである。市場による働きのみによっては所得の分配に歪みが生じることとなるが、
この点、社会保障は、所得の再分配機能を発揮することによって、格差の是正や貧困の解
消を図ることができる。加えて、格差の固定化を防ぎ、貧困の連鎖を断ち切る役割を果たす
ことで、全ての人々が未来に向けて果敢に挑戦することのできる活力あふれる社会を創り出
す鍵ともなる。こうした意味で、社会保障は、単なる社会的な支出にとどまらず、社会的に大
きな機能を果たすものであると言える。
また、こうした社会保障の機能が十全に発揮されるためには、人々を働き方や勤務先の
企業の属性などによって制度的に排除することなく、社会保障制度の内に包摂していくこと
が重要となる。それによって、社会の分断を防ぎ、統合を強めていくことは、若者世代におけ
る格差拡大が懸念される今日において、特に強調されるべきことである。
 制度を支える人材やサービス提供体制を重視する
社会保障は、法令や制度、財源のみによって成り立ち得るものではない。医療、介護、福
祉など多くの社会保障サービスを支えているのは現場の人材であり、社会保障の充実は、こ
れまでこの分野で、より多くの人材に働いてもらうことによって発展を遂げてきた。しかし、今
や事態は変わり、介護、保育をはじめ各分野において、人材不足の傾向となっている。今後、
労働力がさらに減少していく中で、人材の確保・育成や働き方改革、経営の見える化とあわ
せた処遇改善、医療・介護現場の生産性の向上、業務の効率化はますます重要になってく
る。同時に、人が人を受け止め、寄り添いながら支援することが、互いに心を通わせ、生きる
力を高めていくということの重要性も忘れてはならない。
その上で、医療・介護などのサービス提供体制については、今後の医療・介護ニーズや
人口動態の変化、新型コロナ禍で顕在化した課題も踏まえ、質の高い医療・介護を効率的・
効果的に提供できる体制を構築するため、機能分化と連携をより一層進め、国民目線での
改革に取り組むことが重要となる。
 社会保障のDX(デジタルトランスフォーメーション)に積極的に取り組む
日々著しい進展を遂げるデジタル技術を積極的に活用して社会保障分野に革新的なイ
ノベーションをもたらすことによって、人々の生活はさらに豊かなものとなる。最新のデジタル
技術は、規格の共通化・標準化や業務の効率化にとどまらず、医療技術・医薬品の開発、
健康・医療・生活情報に関わる新たなサービスや付加価値の創造にも寄与する。そして、何
よりも、「困っている人に対し、公平かつ迅速に支援を届ける」という、社会支援のベースとな
る社会インフラの整備において制度的な革新をもたらすものである。
こうした視点に立ち、医療・介護分野におけるDXの推進に向けた取組はもとより、社会保
障制度全体において、日々進化するデジタル技術の積極的な導入を図っていく必要がある。
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